第10話

葛藤
356
2021/06/18 13:27
目を開けるとよく分からない空間にいた


揺れる灯篭が、四面に張り巡らされた御札を照らす場所


(なまえ)
あなた
(ここは…主人公が封じられてた場所だった気がする)
実際主人公のように後ろで手を縛られているし



そう思っていると、思っていた人物が目の前にしゃがみこんできた
五条悟
五条悟
おはよう
よく眠っていたね

早速だけど君は何者なんだい?
そういってくる最強さんは微笑んでいた


笑っているけど絶対答えないと死ぬやつだ
でも
なんと伝えたらいいのだろう?


アニメの世界に来た一般人ですなんて通じないだろうし


私だってよく分かっていないし


でも帰れないのならここで生きていくしかないし

生きていたら帰ることも出来るかもしれないし




アニメとは言わずに素直に言ってみよう




この人はアニメでは1番強い呪術師で最強みたいだし


助けてくれるかな…

(なまえ)
あなた
私の名前はあなたです

よく分からないことに
巻き込まれた一般人だと私は思っています


そういうと最強さんはグイッと顔を近づけてきた




キスされる!?




と思ったのは勘違いで直ぐに顔を話して面白そうに言ってきた
五条悟
五条悟
君…一般人ではないよね

似ているけど似ていないんだよね

どこからきたんだい?
私が違う世界から来ているのがわかっている?





なんて説明したらいいのだろう……

そう考え、私の中で組み立てた仮定を話すことにした
笑われちゃうかもだけど
(なまえ)
あなた
最強さんは

パラレルワールドを知っていますか?

私は別の世界にいて、この世界を知っている人間だったと言ったら理解してもらえますか?
言ってる私も笑っちゃうような言葉を信じて欲しくて真剣に伝えた


最強さんは口角を上げたままこちらを見てくるだけ



(なまえ)
あなた
信じて欲しいです

私自身さっき両面宿儺さんに帰れないと言われ
混乱しています

でも確かに、この世界は私のいた世界ではないです
五条悟
五条悟
信じるかどうかは君次第かな

君の話を信じるとしても
君は呪術師なのかい?
それとも両面宿儺の手の者かい?

(なまえ)
あなた
私は呪術を知りません

両面宿儺さんは私をこの世界に落としたと言っていたので、関係しているといえばしていますが
私は呪霊ではありません

自分でも自分が何なのかわからないんです

前の世界ではただの一般人だったんです
五条悟
五条悟
うーん
君呪術使えないって言ったけど
使えるよ

呪術だけど呪術に似たなにかをね

君の言葉を借りるなら
別の世界の人が使う別の呪術って感じかな
え?

私も呪術が使えるの?

それなら使えるようになりたい

お化けに対抗出来るぐらいとりあえず自分を守れるようになりたい
五条悟
五条悟
もしかして知らなかった感じ?

無意識で使っているのかい

なら教えてあげるよ
うんうんと勢い頷く私をみて

そんなに教えて欲しいのかー!と面白そうに笑い言う
五条悟
五条悟
両面宿儺に会いたいと願ってごらん

熱烈にだよ
願うってどういうふうにしたらいいんだろう?

なんで両面宿儺さん?


まさか!!!
夢と思っていただけで

もしかしたら私!!



(なまえ)
あなた
(瞬間移動できる能力なんだ!!!)



私瞬間移動できるんだ!!
そう思い立った私は喜んだ





この能力ならお化けに襲われてもすぐ逃げれる!


もう追いかけられなくてもいいんだ!!


そうに違いないと思い、早速神様に祈るように両手を組み、優しい手を思い出しながら願った
(なまえ)
あなた
(両面宿儺さんに

もう一度だけ会いたい)




そう願いしばらくたった




(なまえ)
あなた
(もう目を開けていいのかな?)
気合いを入れて願ってみたから瞬間移動ならもう着いていると思う


そう思いながら恐る恐る目を開けると何度もみた骸が見える



安堵するために骸の終わりを見つけるように上を向くと見知った瞳と目が合う
(なまえ)
あなた
両面宿儺さん……
両面宿儺
両面宿儺
帰り方がわかったか

あなた
私が逢えたことに安堵していたら

そう言った彼の膝の上にいつの間にか座っていた


急なことすぎて驚いた



私はいつ移動したんだろう

そう思ったけどすぐに答えはでた


(なまえ)
あなた
!(私瞬間移動できるんだった!!)


無意識に移動して膝の上なんて

怒るんじゃないかな


確認するためにゆっくりと彼を見上げる前に

頭を撫でられた



優しい手



アニメでは恐ろしい呪いの王だけど

実は優しい人だったんだ






しばらくその手を楽しんだ




穏やかな時間が流れる





(なまえ)
あなた
両面宿儺さん

私呪術師みたいなんです

呪術が使えるって言われて
お願いしたらこうして両面宿儺さんに

また会えました
両面宿儺
両面宿儺
この程度の呪術なら
最初から使えていたじゃないか

あなたの力は呪術師というより呪詛師の方がむいている


俺が自由に動けるようになったら
共にこの世界を楽しもうではないか


そう言われた


呪詛師……確か…悪いやつだったよね?




パッと両面宿儺さんの顔を見ると



ニヤっと笑った




そういえば
両面宿儺さんがアニメの中で言ってた楽しむって

いやそもそも大昔の両面宿儺さんが人めちゃくちゃ殺してんだっけ?当時の人達止めれなかったんだったよね


楽しむって殺すってこと!?

主人公に変わった時女子供がいっぱいって喜んでた気がする


殺すってこと!?



やばいから主人公に指食べさせて死ぬか、今すぐ死ぬかって言ってたよね!?


人殺すの!?
(なまえ)
あなた
あの、両面宿儺さん
両面宿儺
両面宿儺
どうしたあなた?
(なまえ)
あなた
私、その…


人殺したくない




そう言ったら呪いの王は怒るだろうか



急に背筋が冷たくなる 手に汗もかきはじめる



まだ死にたくない

でも人殺すなんて私にはできない



そして人を殺している呪いの王も見たくない





どうしたらいいんだろう

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