第26話

階段 ⚫
253
2021/07/03 12:28
(なまえ)
あなた
至って普通のお家だよね?

旅館って感じがするぐらい大きいけど
戸を開けてもそこは綺麗に手入れされた家だった


ここに住んでいた人達は、呪霊退治のため出ていってもらっていると伊地知さんが言っていた
伏黒恵
伏黒恵
気を抜くな

ここの使用人が何人かいなくなっていると言っていただろう

おそらく呪霊の仕業だ
(なまえ)
あなた
うん
私たちは1階から回ることにした


1階は客室や使用人の部屋など部屋が多かった

外からは見えなかったけど
所々に箱庭もありお金持ちの家だなーと思った以外


特に何も無かった


(なまえ)
あなた
1階は何も無いね
伏黒恵
伏黒恵
……あぁ

2階に登りながら伏黒くんにそういうと

何かを考えているのか伏黒くんはぼんやりとした返事をしてきた
(なまえ)
あなた
(何考えてるんだろう?

邪魔しない方がいいよね)
伏黒くんの様子がおかしかったが

そのまま2階へあがった
2階はここに住んでいた家族の部屋と娯楽部屋など様々な部屋があり

見ていて面白かった
(なまえ)
あなた
2階も特に何もなかったね
伏黒恵
伏黒恵
……
呪霊の気配もなかった

私は呪力の痕跡が何故か見づらく伏黒くんにそれは担当してもらっていたが

隅まで見ていた伏黒くんでも見つからなかった
(なまえ)
あなた
どうしよう?

一通り見て回ったし外に出る?
黙ったまま何かを考えている伏黒くん

邪魔したらいけなさそうだったから

そのまま待つことにした
(なまえ)
あなた
(一体何考えているんだろう?)
窓から外を見ると丁度家の裏側なのか綺麗な山林が見えた

ぼーっと山林を見ていると
伏黒恵
伏黒恵
あなた、気になることがあるからもう一度1階にいく
(なまえ)
あなた
う、うん わかった
急に腕を掴まれて引っ張られて驚いた

何か思い当たることがあったのか

私を引っ張るように階段を降りた












たどり着いたのは綺麗な箱庭が見える渡り廊下
(なまえ)
あなた
綺麗だよね

ここのお庭
庭師が凄いのか

和な雰囲気だけど所々に花がひっそりと咲いていて心落ち着く空間だった
伏黒恵
伏黒恵
おかしいんだ
その言葉を聞いて伏黒くんを見上げると眉間にシワを寄せていた
(なまえ)
あなた
どこがおかしいの?
伏黒くんは箱庭に続くガラス戸を開けて箱庭に降り立つ
伏黒恵
伏黒恵
一切、呪力の痕跡がないなんてありえない
(なまえ)
あなた
もう1つの御屋敷の方が原因じゃないの?
伏黒恵
伏黒恵
違う

ここで働いていた使用人がいなくなっているんだ

それはどちらかでも働いている使用人のことだ

時間関係なく言葉の通りいなくなっているんだ
(なまえ)
あなた
ん?それってどういうこと?
伏黒恵
伏黒恵
ここは隣の洋館にも繋がっていたな

だがこの屋敷からだとどこにもそこに繋がる扉がないんだ
あ、たしかに

そう思った

行く先々部屋やトイレだったりでそういう通路はなかった
伏黒恵
伏黒恵
そしてこの箱庭…

2階からは一切見えなかった
(なまえ)
あなた
言われてみれば裏庭とかは見れたけど…

確かに見えなかったね
伏黒恵
伏黒恵
ここだ

ここに何かがある
そう言って伏黒くんは砂利を蹴りながら

箱庭の隅にひっそりと咲いている花の方へ歩いていく
私も箱庭へ出る
伏黒恵
伏黒恵
二階から見られないようにして

和庭園づくりにして

見にくくしていたんだろう
そう言ってある場所に座り込み手で白い砂利をどかし始めた





どかした砂利の下には確かに扉があり取っ手がついていた
(なまえ)
あなた
これって隠し扉?
伏黒恵
伏黒恵
そうだな

おそらく地下通路か何かがあるんだろう
(なまえ)
あなた
1度戻って、皆と集合した方がいいんじゃない?
そういう私の目を伏黒くんはじっと見つめてきた
なんでこんなに今日は見てくるんだろう?
不思議そうに思っていると伏黒くんが言う
伏黒恵
伏黒恵
一通りみたら戻ろう

地下通路なら隣の洋館にも繋がっているはずだ

あいつらも見つけてるかもしれないし

見つけてもあいつらは1度帰ってくるとか考えずに突き進む性格だろ
(なまえ)
あなた
確かにそれは、そうかも
やっぱり私と虎杖くんとか野薔薇ちゃんが組んだ方が良かったかもしれないけど


こうなってしまったのはしょうがない
(なまえ)
あなた
じゃあいく?
伏黒恵
伏黒恵
あぁ
そう言って地面に着いている取っ手を引っ張った
思った以上に重いのか伏黒くんは

だいぶ力を入れてやっとゆっくりと扉は開いていく
(なまえ)
あなた
わぁ、なんか出てきそう
よくある隠し通路と言った感じで下へ続く階段が出てきた
伏黒恵
伏黒恵
おそらくこの先に呪霊はいそうだな
暗い空間は苦手だけど伏黒くんがいるから大丈夫だと思う
(なまえ)
あなた
降りよっか
そう言って少し濡れている階段を転ばないように1歩ずつ降りていく

伏黒くんが着いてこないので振り向くと

伏黒くんに見下ろされている
(なまえ)
あなた
どうしたの?早く行こうよ
もしかして明かりが必要なのかな

ポケットの中からでてきた懐中電灯を取り出し

伏黒くんの足元を照らしてあげる
伏黒恵
伏黒恵
あなた……前、虎杖から聞いたんだが

お前怖いの苦手なんだろ?

大丈夫なのか?
そういえば最初の五条先生の特訓で胸糞映画見ていた時






虎杖悠仁
虎杖悠仁
(あ、俺これ見た事ある 

スッキリしない終わり方だよな)
(なまえ)
あなた
(そうなの!ほんと嫌だよね

ちょっとぐらい救いがあればいいのに!)
虎杖悠仁
虎杖悠仁
(でも、俺ホラーとかスプラッター系ばっかり見させられたけど

あなたのは無いな)
(なまえ)
あなた
(私、怖いの超がつくぐらい苦手でさ

見たその日に夢に出てくるぐらいなんだ)
虎杖悠仁
虎杖悠仁
(じゃあ、怖い話聞くだけでもダメなやつじゃん)
(なまえ)
あなた
(そうなのー 
だから私と話す時怖い話とかしないでね
泣いちゃうぐらい嫌いなの)
虎杖悠仁
虎杖悠仁
(そっかー じゃあ気をつけるよ!)





そういえばそんな話をしたけど
(なまえ)
あなた
大丈夫だよ 伏黒くんがいるからさ
伏黒恵
伏黒恵
……わかった
なんでそんなに心配してくれるんだろう?

ゆっくりと私の近くまで降りてきた伏黒くんは

何を考えているのか分からないけどまた眉間にシワを寄せていた
伏黒恵
伏黒恵
あなたは前で俺が後ろでいいか?
(なまえ)
あなた
大丈夫だよ

こういうのって後ろの方が怖いもんね
そう言い背中を任せてゆっくりと光のない階段を降りていった

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