貸していただけますか?と先輩に聞くと
そっと手の上に槍のような武器が置かれた
どんなものにしようか考えていると
伏黒くんが心配そうに声をかけてくれた
槍を両手に握りこむ
先輩たちが興味深そうにじっと見つめてくる
そう思いながら目を閉じ
この呪具の呪力を高めるイメージをする
みんなの呪術と同じ威力を高めるだけ
術式展開【正夢】
そう呟いたはずなのに
意識が遠のく
どこかに何かがぶつかる音だけは聞こえた
皆が何かを叫んでバタバタと動いている
目が霞む
この手に染まる血は誰の?
地面に転げている赤く染った呪具の刃に
口から血を流す私が映る
あれは私?
なんで血を流してるんだろう
そう疑問に思いながら意識を失った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。