そこは白銀の美少女があられもない姿で様々な格好で飾られていた
何体もの美少女が恐らく造り手の意図に合わせて
その美しい体、顔を妖しげにさらけ出し誘うようにポーズをとっていた
同じ同性としても何かいけない感情が湧いてくるようなほど魅力的な少女だった
スタスタと歩く伏黒くんは頼もしいを通り越して男としてそれはどうなの?と疑問に思うほど勇ましかった
見ないようにと思っても視界にうつる蠱惑な美少女の瞳は
熱を持ってこちらを見ているような気がした
薄暗い部屋に作品をライトアップする光は
怪しげに揺らめき
美少女の体に影を落とす
私が望めば大概のことは叶う
だけど異常であることは気づいていた
まだ私は私でいたい
みんなに見せたらどんな目で見られるか
不安だった
奥に進むほど
過激な作品になって行った
器具で固定されていたり
よく分からない機械にもみくちゃにされていたり
見てはいけない知ってはいけない
理解が追いつかないほどのエロスに
くらくらしていた
そう言って伏黒くんを見ると
チラリと私をみて大丈夫だと言って別の場所を確認し始めた
お互いの思いは交差していた
美少女の顔は美しさを保ちながら
熱を持った目で
美しい体を余すことなくさらけ出していた
あまりそういうえっちな本とかを見ていない私はつい興味本位でチラチラと見てしまう
同性としても心が疼くような作品だった
その作品は潤んだ茜色の瞳は何かを求めるように私を見上げ
美しい胸に自らの手を這わせて誘っているようだった
瞳の色に違うことに気づきよく見ようと近づこうとした私は
後ろに飾られていた美少女達に手足を捕まえられていた
少し離れたところにいた伏黒くんにも美少女達が捕らえようとしていたのが見えた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。