彼岸花「まぁとにかくだ!!お前苦労してる事とか悩みはないのか?相談相手になってやる……」
俺はどんなに不幸なのだろうか……まさかの花に人生相談をする日が来てしまうだなんて……
慶ちゃん「……俺には中学の頃大親友がいたんです……」
彼岸花「ほぉほぉ……」
慶ちゃん「小学校の頃からの親友で…中学に入ってからはクラスが全然一緒にならず…3年でようやく同じクラスになれました……」
彼岸花「なるほど」
慶ちゃん「でも…その時の彼は…傷ついた状態だったんです……いじめです… いじめを受け心がズタズタでした……俺は彼の力になりたいと…相談相手になりました……」
彼岸花「それで?」
慶ちゃん「そしたら…いじめっ子が「今日から〜俺らの嫌いな奴らと絡んだら…お前らもいじめの対象にする〜」……みたいな事言ってきて……」
彼岸花「……一瞬低い声になったが…いじめっ子の真似のつもりか?」
慶ちゃん「そこはあんま気にしないでください……んで…俺はいつも通りにしげと絡んでたら案の定…呼び出されて……でも俺言い返したんです……正直正論を言ったと思ってます……そしたらシゲがやんだ代わりに…俺がいじめられるようになっちゃって……」
彼岸花「なるほどな……」
慶ちゃん「俺は辛くて逃げたんです……そしたら俺は高校行けなくなって…しげは…いじめが再開して…失望して……リスカを初めて…俺も死んでしまおうかと思って…」
彼岸花(リスカって…もしそのシゲとやらが俺ら4つの花に係わってたとしたら…緑…いい仕事したな……)
慶ちゃん「……彼岸花さん?」
彼岸花(俺も負けてられない……)「なぁ思ったんだけど…お前って……そのいじめっ子を恨んだりとかしないんだね」
俺は思った事ないことを言われ…キョトンとする
彼岸花「だって聞いた限りだと…まず大事な親友傷つけられ…リスカまで追い込んだ…そしてお前自身高校落ちた いじめを受け人間が怖くなった…そんな所だろう」
人間が怖い……言ってないのに合ってる……凄い……
彼岸花「俺は思う……お前は恨んでいいほど酷いことをされたと思うぞ? 俺だったら怒りの気持ちでいっぱいだろうな……」
慶ちゃん「要するに恨めってことですよね?……でもどうすればいいか…」
彼岸花「いいか…お前と親友がやられた事といえばなんだ?」
慶ちゃん「例えば…お弁当ぶちまけられた…周りの人にハブるよう伝えた…後は…蹴り入れたり…殴ったり…サンドバック状態にされた……」
……あれ?不思議だな…不思議と……今まで思わなかった「怒り」って言うのが湧いてきた…
彼岸花「ほんとにそんだけか?」
慶ちゃん「1回…殺そうとしたのか屋上から突き落とされかけたことあった…しげの悪口を俺に言わせ…先生に報告して…怒られた事もあった…………」
彼岸花「…おぉ……かなり酷いことされたんだな……お前」
慶ちゃん「………………」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。