玲於side
俺が顔を上げると、そこには
美しいドレスを身にまとった、
今まで生きてきた中で見たことないくらい
綺麗な女の人が立っていた
照れてちゃダメだって………。
ちゃんと言え、、、、
違うって…!!!!!!!!!!
俺が言いたかったのは そうじゃなくて……
ってなんで聞いてねぇんだよ!!!
ちょっと深呼吸して……落ち着いて…
よし、言えた。
てか……いつもこんなこと言わないから
って引かれてないかな
俺はあなたの顔を伺った
思わず心の声が溢れ出てしまった
俺の話の途中に衣装部屋に入ってきた龍友くん。
はぁ、、、、また来やがったよ…。
先輩なのに心の中でそんなことを思ってしまう
ドレスに惚れ惚れしてる龍友くんと
それに 照れてるあなた。
そりゃそーだろーがよ
何年 あなただけを見てると思ってんだ
そんな素っ気ない返事をしながら
あなたに手を振る俺。
あなたが出ていった衣装部屋でひとり、ため息ひとつ…
────────────────────────
龍友くんside
そう言って俺はあなたの髪にクシを入れた
気持ちまで読み取られるとは…
正直想定外。
だってそりゃあ…
好きな人を自分の手で世界一美しい女の子にして、
それをたくさんの男共に見せびらかすんやぞ…?
そりゃ複雑にもなるやろ。
しかも…………
いや、なんもない。
考えれば考えるだけ苦しくなる。
止めろ、考えるな俺…。
その声で俺は我に返った
あなたに嘘をついてる。
この行動が俺の心を締め付けていく…
そうポツリと呟いたあなた。
そんな切なそうに喋るなよ
連れていきたくなくなるだろーが…
目を閉じて大人しくしてるあなたの
顔の前に手を回して、後に持ってくる。
あなたの首元には きらきら光るネックレス。
ネックレスには
あなたのイニシャルと 「 8 」 の文字。
みんな続々と集結して、泣いてるあなたを見て
みんな同じ反応をとった
そう言いながら涼太が玲於の頭に手を乗せた
あなたの顔は さっき泣いたのもあって目が潤んでて
頬は興奮からか少し赤くて…
でも一人一人の目を見ながらはっきりと言ったんだ
·
あなたを元気に出来たのは良かった
でもな、
俺は………
そう簡単に元気には なられへんねん。
今のあなたは気づくわけないやろな、
頼むから行かんといてくれ。
ずっと俺のそばで、俺だけに笑いかけてくれよ
そんな願いも
“ 運命 ” という名の歯車によって
噛み砕かれるんだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。