第4話

朝焼けと夕焼けの館
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2024/08/10 08:36 更新
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それでは物語の続きをどうぞ。
差し出された男性の手をおずおずと取るとゆっくりと階段を登る。
でも腕を組んだりする訳でも無くただ手を繋いで階段を登っている状態になった。
さすがに少し恥ずかしくなって踊り場に着いた時手を離してほしいと言おうと思い、男性の方に目を向けるとさっきより少し頬に赤みが差していた。
???
すみません……あの…手を離した方が良いですよね……?
知り合いに「初対面の方はエスコートした方が良い」と言われたのですが今まで誰かを案内した事が無くてどうすれば良いのか分からなくて……
一瞬思考を読まれたのかと思ってドキリとしたがどうやら違うようだ。
自分の行った行動が間違っていることに気付いて恥ずかしくなり顔が赤くなっていたようだ。
別に不快と思っていない、大丈夫だと伝えると男性は少しホッとした様子を見せ手を離しこの場所の説明を始めた。
???
ここは『朝焼あさやけと夕焼ゆうやけのやかた』です
元々もともと、名前は無かったのですが1〜2年程前に私の知り合いがそう呼び始めて気が付けばその名前が定着していたんです
そうはにかみながら説明をする男性はさっきより少し幼く見えた。
???
どうぞ、お掛けください
そう言われ石楠しゃくなげ色のソファのはしに腰掛ける。案内された部屋は応接間の様だ。
ソファはフカフカで座り心地がとても良い。
???
お茶を淹れてきますね
どうぞ、ごゆるりとおくつろぎください
そう言うと男性は部屋を出ていった。

クルリと部屋を観察してみる壁紙は躑躅つつじ色を基調に白でマーブル柄を描いている。
朝焼けの空みたいだと思う。
出窓はマゼンタ色のカーテンで閉じられている。
カーテンの前には白いレースのクロスと少し不格好な黒猫のぬいぐるみが置いてある。
ソファの前にはベビーピンクのテーブルクロスが掛けられたローテーブル。
床にはピギーピンクの正方形の絨毯じゅうたんが敷かれている。

見事にピンクづくしだ。
確かに少し朝焼けを思い浮かべる色合いだと思う。
???
朝焼けみたいだな〜って思った?
突然、少しくぐもった少女の声が隣から聞こえ驚いて隣を凝視ぎょうしする。

さっきまで誰もいなかった。物音もしなかった。
少女はにししと屈託なく人懐っこい笑顔を浮かべている。
???
びっくりした?初めましてっ
中学生くらいの少女だ。腰まで伸びた焦げ茶の髪。長い睫毛まつげ縁取ふちどられたパッチリした目。左目に涙ぼくろ。
膝丈で萌え袖の桜色のワンピース。ウエストの辺りを桃色の帯の様なリボンを後ろで蝶々結ちょうちょむすびをしている。
マゼンタのスニーカーに白い踝丈くるぶしたけのソックス。胸元もなもとには桜色の石を赤で縁取ったハートのペンダント。
髪にはワンピースと同じ桜色のリボンをカチューシャの様にして頭の右側で蝶々結びをしていて全体的にピンクづくしだ。
ふんわりとした不思議なおっとりとした雰囲気がする。
???
私、あいっていうの!あなたの名前は?
あなたっていうんだ!よろしくね!
ニコッと笑うあい。
あい
あい
あなたはどこから来たの?
分からないと伝えると目を見開いて驚いている。
あい
あい
記憶喪失?でも名前覚えてるもんね〜
謎だぁ〜
そう言いながらぐで〜とソファでだらけるあい。
トイレに行きたいと伝えると案内すると言う。
あい
あい
ここ、広いでしょ?
迷子になったら大変だもん
確かにと思い案内を頼むことにした。
ジャー
あい
あい
あなた〜、終わった〜?
終わったと答えながら手を洗う。鏡を見ながら改めて自分はどこから来たのか思い出そうとしたが何も思い出せない。
でも、ニットなどの服装からしてきっとゆっくりしようとしていたのだろう。
(なまえ)
あなた
おまたせ
あい
あい
ほいな、んじゃ、戻ろっか
そう言うとあいはスキップしながら廊下を進む。
見た目より動作が少し幼い。
(なまえ)
あなた
ここは不思議な色合いをしてる
あい
あい
でしょ!私がやったんだ〜
(なまえ)
あなた
あっ、やっぱりあいが
あい
あい
うん!そうなの!
この部屋みたく朝焼けっぽい所もあるし
あと、夕焼けっぽい所もあるし
ガラリと雰囲気が変わったりするとこもあるよ!
(なまえ)
あなた
気になる
あい
あい
お楽しみに!
そう言うとニコッと笑うあい。
あい
あい
それにしても男爵遅いね〜
(なまえ)
あなた
男爵?
あい
あい
うん 私がそう呼んでるだけなんだけど
服装が物語に登場する男爵みたいでしょ
だから男爵
(なまえ)
あなた
じゃあ、本当の名前は?
あい
あい
私も分かんないんだよね
聞いても話をらされたり上手いこと
はぐらかされたり
何だか名前を教えたくない……と言うより何かこう……う~ん………
自分でも名前を知らないみたいな感じがする………
???
おや、あいさん
いらしてたんですか?
あい
あい
あっ男爵!ひっさし〜ぶり!
入口の方を向くと男性がティーカップが2つの置いてあるお盆を持っていた。
男爵
男爵
すみません、2人分のお茶しか淹れてこなかったのでもう1杯淹れてきますね
あい
あい
別にええよぉ〜
男爵
男爵
いえ、淹れてきます
あなたさん、先にどうぞお飲みください
そう言うとまた部屋を出ていった。
あい
あい
別にいいって言ったのに
男爵ってこういう所は融通ゆうずかないというか何というか…
あっ、お茶いいにお〜い
(なまえ)
あなた
本当だ
フワリとフローラルな香りが漂っている。
ティーカップの中を覗くと花弁はなびらが浮かぶ紫色の液体が入っている。
お茶………なのだろうか…………。
あいは美味しそうに飲んでいるが……。
色のせいもあるが見ず知らずの場所で出された物を飲むのも少し気が引ける。
どうしよう………。

アンケート

出されたお茶を飲みますか?
あいも飲んでいるし、大丈夫だろう。飲もう。
85%
やはり気が引ける。飲むのはやめておこう
15%
投票数: 13票

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