第55話

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2021/03/30 14:02










どのくらい時間が経ったのか。
















キスは激しさを増す。










いつのまにか、グクの首に手を回している私がいて。











いつもの自分なら恥ずかしくて、すぐに顔を背けるのに。









そんなのどうでもいいというように。












苦しみから逃れるように。












ただただ、包まれる心地よさと安心感に酔いしれていた。
















(なまえ)
あなた
……ンッ、ハァハァ……







私とグクの唇が離れ、糸が引く。










酸素が足りないのかさっきよりさらに頭がボーッとした。








グクがそのあとふふって笑うまで、

雰囲気にのまれてグクの胸に抱きしめられていることも気づかなかったくらい。














考えることを放棄していたんだ。












ジョングク
ジョングク
……あなた。
(なまえ)
あなた
………ん?なに?
ジョングク
ジョングク
好き。
(なまえ)
あなた
…………
ジョングク
ジョングク
俺を選んで。
ジョングク
ジョングク
もうあなたのそんな顔、
見たくないんだ………
ジョングク
ジョングク
俺がいるから。
だから……









グクはぎゅっと私を抱きしめる。








強く強く。








「愛してるよ」って主張するかのように。















でも、わたしは、空っぽで。


何も考えられなかった。













ジミンオッパの笑顔が。



一つ一つの言葉が。





仕草が。






カメラのデータを一枚一枚消していくときのように。











笑いあった思い出も感動して泣いた思い出も。



そして、苦しくて辛い思い出も。












鮮明に出てきては消えて。








涙と一緒に流れていったようだった。




(なまえ)
あなた
💭私空っぽだ……
 何もなくなっちゃった…


















空っぽで苦しくて。







その空っぽな自分を何かで満たしたくて。















もう、一人は嫌で。











だから、気づいたら返事してた。







(なまえ)
あなた
……私をグクで、満たしてくれる?

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