あなた『…ちょ、ちょっと待って』
謙杜『…』
私は長尾くんの腕を掴んだ。
するとゆっくり離れた長尾くん。
謙杜『…』
あなた『…どうしたの?』
謙杜『…嫉妬』
あなた『…え?』
謙杜『流星と仲良くしてんのに嫉妬した』
あの時か。
長尾くんは真奈ちゃんに連れていかれたはずだったけどずっと見てたんだ。
あなた『大西くんとは何も無いよ?大西くん友達と付き合ってるし』
謙杜『…うん』
あなた『だから心配しないで?』
そう言って長尾くんの頬を優しく触ると
唇が合わさった。
謙杜『…俺余裕ないねん』
あなた『…大丈夫だよ?』
謙杜『ずっと俺からしたら高嶺の花やってさ』
初めて言われた。
私から見たら長尾くんがそんな存在だった。
どうせ振られちゃうって。
謙杜『取られたらって思うと嫌で…』
あなた『…』
でもそんな心配はなかったみたい。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。