翌日 藍沢家 朝
子供部屋
光輝、起きて〜熱測るよ〜
うん…
はい、測って〜
ピプピフ ピプピフ(体温計のアラーム)
何度?
38.5…
あらら、高いね…
ママ、寝ていい…?
うん、いいよ。おやすみ。
おやすみ…
リビング
光輝、どうだった?
熱計ったら38.5℃で…キツかったのかすぐ寝た。
今日、参観日って事で2人共休み取ってたから…これ、俺出勤した方がいい…のか?
橘先生に朝イチで電話して聞いたんだけど、元々休みだったんだし休みなって言って貰えたから…大丈夫じゃない?
そうだな…
あ〜ぅ…
優真〜お姉ちゃんの事心配だねぇ…
うぅ…
…あ、薬飲ませた?
いや、まだ…何も食べてないし…
お粥作るか。
…作れるの?
…多分。
ほんとに?
…無理です……
じゃぁ優真見てて。
はい…優真、料理できる男になれよ…
何言ってんの笑
いや、なんでも…
耕作が分かりやすくショックを受けている時…
2階から物凄い音がした。誰かが落ちたような…そんな音。
ドンッ
…耕作!
今の…
多分…
見てくる。
ありがとう。
優真頼んだ。
了解。
子供部屋
光輝〜…え?
パパ…光輝ね、起きようとしたの…そしたら…落ちちゃって…起き上がれなくて…
よいしょ、(起き上がらせる)光輝、薬飲むためになんか食べないと行けないんだけど…食べれる?
食べれる…けど歩けない…
じゃぁ、パパがお姫様抱っこするからリビングまで行こっか。
うん…
リビング
出来たよ〜
光輝、食べよっか。
うん…ŧ‹”ŧ‹”
食べ終わり……
ごちそうさまでした…
薬飲もっか。
いや…
治らないぞ?
じゃぁ飲む…
えーと、じゃぁ抗生剤と解熱剤先飲んで〜
タミフルは?
後からがいっかなって笑
一気は辛いでしょ?
…後って言ってもすぐだろ笑
まぁ…笑
はい、光輝飲も。
…ゴクッ
偉いね!じゃぁ次タミフル!
(´;ω;`)
光輝、頑張ろ?なっ?
うん…ゴクッ
ヨシヨシ(。´・ω・)ノ゙
光輝、眠くなっちゃった…
じゃぁ…部屋で寝とく?
うん…
この時、2人は「2階ならタミフルの副作用で外に出ようとしても窓の鍵は閉まってるし、飛び降りは有り得ないし家を出ようとしてもリビングを通るから安心」と思っていた。
それが裏目に出たのだ。
異常行動を起こした光輝は鍵を開けたのだ…
子供部屋
ガチャ
ドサッ(落ちる音)
リビング
あれ、今外の木に何か落ちた?
そんな音したよな?
なんだろ…(見に行く)
どう?何かあった?
いや、何も…
風が吹いただけかもな。
かもね。
大通り交差点
え、あの子大丈夫そう…?
なんか…やばくない?
あの子、1人?
あの年齢で…?
…ねぇ、横断歩道赤になったけど……
あの子、横断歩道渡ろうとしてない?
ププー!!(クラクション)
え……
嘘…
ドンッ
翔北 スタッフステーション
プルルルッ プルルルッ(ホットライン)
ホットライン「翔北救命センターです。」
ホットライン「小日向消防より受け入れ要請です、小日向大通り交差点で6歳女児が赤信号の中横断歩道を渡り大型乗用車に跳ねられ意識レベル2桁ですが会話不能です。体温39℃あり、インフルの疑いありです。」
横峯、隔離病棟空いてる?
空いてます!
ホットライン「了解です、受け入れます。」
インフル検査してから治療だな。
にしてもレベル2桁で会話不能かぁ…
意識障害か、熱で魘されてるかのどっちかですね…
ピリッピリッ ピリッピリッ(PHS)
PHS「はい、白石です。」
PHS「白石、光輝が居なくなった。探すの手伝ってくれないか?」
PHS「…え?居なくなった?」
PHS「あぁ…なんと言えばいいのか分からないんだが…」
PHS「…空井先生居る?」
PHS「あぁ。ちょっと変わる。」
PHS「うん。」
PHS「ごめん変わった。」
PHS「どういう事?居なくなったって…」
PHS「子供薬飲ませて部屋で寝かせてたの。窓の鍵しまってるし、家出るのはリビング通るから安心しきってたんだけど…」
PHS「え…もしかして…」
PHS「そのもしかしてで…多分タミフルの副作用の異常行動…窓から飛び降りてたみたい……」
PHS「……ねぇ、空井先生達の家の住所って小日向だったよね…?」
PHS「そうだけど…」
PHS「今、小日向大通り交差点で6歳女児が跳ねられて搬送されてきてる。」
PHS「え…それって……」
PHS「光輝ちゃんかも知れない…」
PHS「取り敢えずそっち行く。」
PHS「了解。」
白石先生、白車到着しました。
行くよ。
はい。
白車受け入れ口
藍沢光輝ちゃん6歳女児、意識レベル2桁、心拍72.血圧157/61.サチュレーション98%.体温38℃で会話不能です。
やっぱり…
嘘…
初療室
藍沢光輝ちゃん6歳女児、意識レベル2桁で会話不能、インフルB出てます。
え……
嘘だろ…
空井先生達まだ?
ウィーン
やっぱりか…
橘先生、待合室で待機してもらっててもいいですか?空井先生と藍沢先生がもうすぐ来ると思います。
分かった、ここは任せた。
はい。
待合室
ドタドタ
あ、橘先生…
もしかして…
…あぁ。
そんな…
う〜あぁぅ…
優真、ちょっとごめんな。
(ベビーカーに寝かす)
意識レベル2桁、体温38℃で会話不能らしい。
助かりますよね…?
…分からない。俺もパッと見てきただけだからな……
もっと早く気付けば良かった…
あなた…
もっと気にかけていればよかった…そしたら光輝は事故になんて合わなかった…!
あなたは悪くない。俺が、外から音がした時「風が吹いただけ」って軽く考えなきゃ良かったんだ…
…2人共、自分を責めるな。誰も悪くないんだから。
でも…!
今ここでどうこう言うより、少しでも光輝ちゃんの力になれるよう考えたらどうだ?多分入院になるだろうし、服とか入院セット持ってくるとかした方がいいと思うぞ。なっ?
…俺が優真と一緒に家に入院セット取りに行くから、あなたはここで待ってて。
…うん……
大丈夫。光輝は大丈夫だ。そう信じよう?
うん…
不幸に直面し、これ以上の事は無いだろう。
誰もがそう思っていた。
だか、運命はそう上手くいかせてくれなかった。
大規模災害まで
3日
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