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第14話

14Channel 赤い家(中編)
直哉くんは悲鳴をあげて、
その場に尻餅をついた。
逢沢 光希
逢沢 光希
バカ、直哉! 
大声出すんじゃねえ
私たちもキッチンに行くと、
そこには年配の女性が
仰向けに倒れていた。

胸には数えきれないほどの刺し傷があり、
身に着けている白いエプロンが
赤く染まっている。
あなた

そ、んな……

言葉が出てこなかった。

ガクガクと足が震えて、
私はその場に崩れ落ちた。
直哉
直哉
おばさん、しっかりして!
直哉くんが床を這うようにしておばさんに近づき、
その身体を揺するが、全く反応がない。
逢沢 優希
逢沢 優希
直哉、多分おばさんはもう……
直哉
直哉
嘘だろ、こんなことが
あっていいのかよ……。
どうして、俺たちの周りで
こんなに死人が出るんだよ!
逢沢 光希
逢沢 光希
直哉、落ち着け。
今騒ぐのは危険だ。
おばさんを刺した人間が
この家の中にいないとも限らねえ
逢沢 優希
逢沢 優希
直哉にかかってきた
電話からするに、
おばさんを刺したのは……
最後まで言わずとも、わかった。
直哉
直哉
相田だっていうのかよ……
沈黙が落ちたときだった。

カタン……と、階段のほうから音がする。

私たちは視線を交わし、
静かに階段のほうへ向かう。
あなた

(相手は斧を持ってる
かもしれない……)

私は台所の棚を開けて、
包丁を手に取った。

そして階段を上がると、
2階の廊下に若い男の人が倒れていた。

助けを求めるように手を伸ばした状態で、
うつ伏せに転がっている。
直哉
直哉
その人、相田の兄貴だ……
逢沢 優希
逢沢 優希
ひどい……背中が、
傷だらけだ……
優くんは目を逸らし、
ふうっと深く息を吐いている。
あなた

もう、嫌……

あまりにも人が死に過ぎた。

悲しいとか、怖いよりも、
疲れ果てている……のほうがしっくりくる。
あなた

(なにも考えたくない、
なにも考えられない……)

逢沢 光希
逢沢 光希
……進むぞ
直哉くんの案内で先に進むと、
相田くんの部屋に辿り着いた。

扉は開いていて、中には……。
相田
相田
ああ、直哉じゃないか
斧を持って、
ぼんやりと立ち尽くしている
相田くんがいる。

その制服には返り血が
たくさんついている。
直哉
直哉
相田……その斧、
どうしたんだよ
震える声で直哉くんが尋ねると、
相田くんは手元を見下ろす。
相田
相田
ああ、これ? 
お袋が勉強しろって
うるさいから、これで黙らせた
直哉
直哉
黙らせたって……。
お前は、人殺しをしたんだぞ!?
直哉くんが叫ぶと、
相田くんは不愉快そうに顔をしかめた。
相田
相田
うるさいな……。
お前も、黙らせとこうかな
ゆらりと、相田くんはこちらに身体を向けて、
斧を構える。
逢沢 光希
逢沢 光希
あなた、下がってろ
逢沢 優希
逢沢 優希
直哉も、これ以上
刺激したらダメだ。
今の相田は普通じゃない
直哉
直哉
でも、相田は俺の親友なんだ!
優希だって言ってただろう!
おかしくなったら止める人間が
必要だって!
直哉
直哉
あいつは、俺が怪我で
野球ができなくなったあとも、
俺の夢を引き継ぐって言って、
野球一筋で頑張ってたんだよ
直哉
直哉
呪いだかなんだか
知らねえけど、こんなことで
夢を失っていいやつじゃないんだ!
直哉
直哉
なのに、なのに……くそっ
あなた

(ふたりの間には、
そんな絆があったんだ……)

あなた

でも、それならなおさら……。
相田くんにとっても
直哉くんは大事な親友だよ

あなた

なのに直哉くんまで
傷つけたって知ったら、
相田くんは立ち直れなくなる

あなた

だから、ここは逃げなきゃ

直哉くんを説得すると、
涙を流しながらも首を縦に振ってくれた。
逢沢 光希
逢沢 光希
あなた、ここは俺と優に任せて、
先に外に出てろ
逢沢 優希
逢沢 優希
この人数であの狭い階段を
降りるのは無理だ。追いつかれる。
だから、分散しよう
あなた

……わかった。
必ず、帰ってきて

ふたりはなにも言わずに頷く。
あなた

(でも、ごめんね。
私、ふたりの言うこと聞けない)