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第10話

10Channel 私を殺していいよ
逢沢 光希
逢沢 光希
ぐっ……優、てめえ
逢沢 優希
逢沢 優希
俺に指図するな。
いつも偉そうに……不愉快なんだよ
優くんは淡々とそう言い、
倒れた光くんに馬乗りになる。
あなた

優くん、やめて!

とっさに駆け寄ろうとすると、
逢沢 光希
逢沢 光希
来るな! あなたは
危ねえから下がってろっ
あなた

でも……っ

あなた

(黙って見てるなんて
できないよっ。
私にできることはないの……?)

逢沢 光希
逢沢 光希
優、しっかりしろ!
光くんは殴りかかってこようとする
優くんの腕を掴んで、必死に呼びかける。
逢沢 優希
逢沢 優希
うるさい……
うるさい、うるさい、うるさいっ
逢沢 光希
逢沢 光希
くそっ、俺の声は届いてねえのか?
それなら、悪いな。優……くっ
光くんは一瞬だけ傷ついたように眉を寄せ、
襲いかかってくる優くんを殴り返した。
あなた

(どうしてふたりが
傷つけ合わなきゃいけないの)

あなた

(ふたりがなにしたっていうの?)

あなた

(でも、いちばん許せないのは……
ここで立ち尽くしているだけの、
役立たずの自分)

あなた

(泣いているだけで、
自分が情けない……)

あなた

あの時と一緒、
また見殺しにするの?

あなた

(親友へのイジメを
見て見ぬふりして、
イジメていた人の目が
ないところで助けるだけの
ずるい人間のままでいいの?)

あなた

そんなの、いいわけない!

私は光くんの言いつけを破って、
優くんに体当たりする。

すると地面に転がった優くんが、
すぐに身体を起こして私の首を絞めた。
あなた

ぐ、うう……

あなた

(苦しい……息が、できな……)

逢沢 光希
逢沢 光希
バカ野郎! 
誰に手ぇ出してんのか
わかってんのか!
バコッと光くんの拳が、
優くんの頬にめり込む。

勢いよく吹っ飛ばされた優くんは、
殴られたところが痛むのか、
私たちの前から逃げてしまった。
あなた

大変、優くんが!
このままじゃ誰かを
襲っちゃうかも……

逢沢 光希
逢沢 光希
あいつを人殺しには
させない!
私たちはすぐに優くんを追いかけ、
体育倉庫にやってきた。

バットを手に取り、
今にも殴りかかってこようとする優くん。

ごくりと唾を飲み込む。

お互い少しでも動いたら、
交戦が始まってしまうだろう。

嫌な汗が額から頬を伝って落ちる。
逢沢 光希
逢沢 光希
優、お前は必ず元に戻してやる
逢沢 優希
逢沢 優希
だから、うるさいんだよ!
発狂する優くんを迎え撃つように、
光くんも地面を蹴った。

しかし、相手はバットを持っている。

素手の光くんのほうが、
圧倒的に不利だった。
逢沢 光希
逢沢 光希
ぐああっ
光くんは顔を殴られ、
勢いよく地面に転がった。

その額からはつううっと、
血が流れている。
あなた

(このままじゃ、
光くんが死んじゃう)

あなた

止めなきゃ

震える足に力を入れて、
私は一歩、また一歩と前に踏み出す。
あなた

誰かを殺させるくらいなら……。
私を殺して。私を殺していいよ

逢沢 光希
逢沢 光希
なに言ってんだ!
いいから逃げろ!
悲鳴に近い光くんの声が聞こえたが、
私は構わず優くんのほうへ歩いて行く。
逢沢 優希
逢沢 優希
なにが逃げろだよ。
ヒーロー気取りか。
俺は光のそういう偽善者面した
ところが、大嫌いなんだよ!
バットを手に向かってくる優くん。
逢沢 光希
逢沢 光希
頼むから逃げろ!
地面に腹ばいになりながら叫ぶ光くん。
あなた

(もう誰にも、
傷ついてほしくない)

私は両手を広げて、
優くんを受け入れた。