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第11話

11Channel 届く声
ガンッと、強い衝撃が肩に走った。

あまりの痛みに、息をするのを忘れる。

それでも私は、優くんから離れることなく
ぎゅっと抱きしめた。
逢沢 優希
逢沢 優希
離せよっ、離せ!
優くんは手足を大きく動かして、
暴れていた。
あなた

もう見て見ぬふりなんてしない、
傷ついてもいいから守る

あなた

私にとってふたりは、
かけがえのない存在だから

あなた

(だからどうか元に戻って……っ)

そんな願いをこめて声をかけ続けていると、
カランカランッとバットが
地面に落ちる音がした。

やがて背中に腕が回る。

それは今までの乱暴なものではなく、
優しい手つきだった。
逢沢 優希
逢沢 優希
ごめん……ごめん、
あなた、光……
私の肩口に顔を埋めて、
我に返った優くんは涙を流していた。

私たちを傷つけてしまった罪悪感に
押しつぶされそうなんだろう。
あなた

優くんは悪くないよ

優くんを抱きしめていると……。
逢沢 光希
逢沢 光希
悪いのは呪いのせいだ
光くんがそばにやってきて、
私と優くんを一緒に抱きしめる。
あなた

それに、こうなったときのために、
私たちがいるんでしょう?

逢沢 光希
逢沢 光希
ひとりにさえならなければ
呪いに心を蝕まれたりしない
逢沢 優希
逢沢 優希
あなた、光……
あなた

闇に取り込まれそうになったら、
お互いの声に耳を傾けよう

逢沢 優希
逢沢 優希
うん、心強いよ
私たちは傷を慰め合うように、
しばらく抱き合っていた。

***

光くんの額と私の肩の手当てが終わったあと、
私たちは呪いの被害に遭ったという
卒業生に会いに行った。
???
???
きみたちは……
家から出てきたのは、
30代後半くらいの男性。

扉を開けてすぐ、
彼は私たちの制服を見て、
ものすごく苦しそうに項垂れた。
???
???
いつか……きみたちのような誰かが
来るんじゃないかって、
思っていました
まるで私たちがここに来た目的を
知っているかのような物言いだった。
逢沢 優希
逢沢 優希
あの、俺たち、
佐伯友則さえき とものりさんという方に
会いに来たんです
佐伯 友則
佐伯 友則
私ですよ。さあ、
あがってください
私たちは促されるまま、
家に入らせてもらった。

リビングに案内されて、
テーブル席に佐伯さんと向き合うように座る。
佐伯 友則
佐伯 友則
その制服を見たときに、
もしかしたら……と、
思ったのですが……。
死の病が、クラスで
広がっているんですね
逢沢 優希
逢沢 優希
断定するということは、
やっぱり佐伯さんは、
死の病のことをご存知なんですね
佐伯 友則
佐伯 友則
当事者ですからね。
私の年では10人もの死者が出ました。
他の生徒も大勢怪我をして、
そのうち5人がクラスメイトを
傷つけて少年院送りです
あなた

そんなにたくさんの
被害者が……

佐伯 友則
佐伯 友則
死の病を生み出す動画……。
あれを見た人間は、
なぜかその動画にものすごく
執着するようになるんです
佐伯 友則
佐伯 友則
そうして、だんだん生徒たちが
おかしくなっていく。
同級生を鉄パイプで
殴ったり、自殺したり……
佐伯 友則
佐伯 友則
動画はきみたちの
クラスの人間にしか
見えていなかったでしょう?
逢沢 優希
逢沢 優希
先生には見せたんですが、
そういえば他のクラスの人には
この動画が見えているかどうか、
確認していませんでした
佐伯 友則
佐伯 友則
じゃあ覚えておくといい、
この動画は死の病が流行っている
クラスの人間にしか見えない
逢沢 光希
逢沢 光希
ということは警察に
助けを求めても
無意味ってことだよな
逢沢 優希
逢沢 優希
そうだね、配信者を捕まえない限り
佐伯 友則
佐伯 友則
配信者?
逢沢 優希
逢沢 優希
はい、動画サイトに
【加害者同盟】っていう
配信者が動画をアップして
るんですけど、それを見て、
みんなおかしくなってしまって……
佐伯 友則
佐伯 友則
そうか、今は動画サイトなんですね。
私たちの頃は、そういうサイトが
なかったので、携帯に直接動画が
送られてきたんです
佐伯 友則
佐伯 友則
その送信者の名前が
【加害者同盟】でした。
当時、私のクラスメイトの
父親が警察だったこともあり、
動画の送信者について
調べてもらってたんです
佐伯 友則
佐伯 友則
けど、どこから送信されていたのかは
わかりませんでした。
送信元の携帯端末も実際には
存在しないものだったんです
逢沢 光希
逢沢 光希
まじで幽霊ってことかよ
あなた

そんな……幽霊が相手じゃ、
なにもしようがない……