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第8話

8Channel 狂気は伝染する
***
逢沢 優希
逢沢 優希
みんな、話があるんだ
朝のホームルーム前、
教卓の前に立った優くんが
みんなに呼びかける。
逢沢 優希
逢沢 優希
連日、このクラスの人間に
恐ろしいことが起こってるよね
なんのことかは、
みんなすぐに察しがついたのだろう。

クラスの空気が張り詰め、
生徒たちの顔に緊張が走る。
逢沢 優希
逢沢 優希
自殺した人間も、
先生を殴り殺した人間も、
【加害者同盟】っていう
動画を見ていたことがわかったんだ
逢沢 優希
逢沢 優希
こんなこと信じたくないけど、
この動画を見ると死にたくなったり、
おかしくなったりするんだと思う
クラスメイト
クラスメイト
そんな呪いみたいなこと、
あるわけないだろ!
クラスメイトたち
「「「「「そうだそうだ」」」」」
クラスメイトたちが騒ぎ出すと、
光くんがガンッと拳で黒板を殴りつけた。

その場にいた全員がビクッとする。
逢沢 光希
逢沢 光希
お前たちだって、
わかってるんだろ。
あの動画がなにか関係してるって
逢沢 光希
逢沢 光希
認めたくないからって、
現実から逃げようとすんな
クラスがしんと静まり返る。
逢沢 優希
逢沢 優希
あの動画を今朝、先生達にも
見せたんだけど、なんでか
見えてないみたいだった
「え……」と、教室がざわついた。
逢沢 優希
逢沢 優希
動画が俺たちにしか見えない、
これが科学では証明できない事態が
起こってるってことにならないかな
みんなは不安げな顔を
見合わせている。

そこへ畳みかけるように、
優くんは続ける。
逢沢 優希
逢沢 優希
先生に頼りたくても、
相談にすら乗ってもらえない。
だから俺たちが動画を見ないように
するしかない
クラスメイト
クラスメイト
もう見ちゃってる場合は、
どうするの?
逢沢 優希
逢沢 優希
ふたり以上で行動するんだ。
死にたくなったとき、
おかしくなりそうになったとき、
止めてくれる誰かをそばに置けばいい
逢沢 光希
逢沢 光希
ただし、一緒にいる人間が
同時におかしくなる場合もある。
やらないよりマシってだけだ
逢沢 光希
逢沢 光希
根本的な解決方法を
見つけない限り、
この呪いは終わらない。
だから、わかったことがあれば
共有しろ
何人かは、同意をするように
首を縦に振っている。

だが、ふたりが一生懸命説得したのも虚しく、
クラスメイト
クラスメイト
やってらんねえ
と、教室を出て行ってしまう男子生徒もいた。
逢沢 優希
逢沢 優希
すぐに理解しろっていうのは
難しいかもしれないけど、
事態は一刻を争うんだ。
どうか俺たちを信じてほし──
優くんがそう言いかけたとき、
教室の窓の外をぶんっと黒い物体が落ちていく。

一瞬のことで、
いったいなにが起こったのか
わからなかった。

ドサッという音がして、
みんなで窓に集まり、下を覗き込む。

すると、そこには──。
クラスメイトたち
「「「「「きゃあああああっ」」」」」
クラスメイトたち
「「「「「うわあああああっ」」」」」
悲鳴があがった。

地面には先ほど教室を出て行った
男子生徒が倒れている。

その身体の下から、赤黒い液体が
じわじわと広がっていくのが見えた。
あなた

あ、あ……ぁ……

あなた

(またなの……?
もう、嫌……)

私は震える身体を
自分で抱きしめる。
逢沢 光希
逢沢 光希
これでわかっただろ。
動画は見るな、ひとりになるな
光くんの悔しげな声がして、
みんなが黒板のほうを振り返る。
逢沢 優希
逢沢 優希
自殺したくなっても、
誰かを殺したくなっても、
止められるように誰かといるんだ
皮肉にも彼の犠牲で、
みんなはふたりの言葉を
信じてくれたのだった。