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第18話

18Channel 疑念
プールの周りにあるフェンスには、
生徒が何人か張り付いている。

そこから聞こえてくる会話に、
サーッと血の気が失せた。
クラスメイト
クラスメイト
帰り際に先生にプール掃除
頼まれたみたいで、
靴紐で手足縛って、
転がりながら落ちるところを
見た人がいるって
逢沢 光希
逢沢 光希
なんで誰も助けに行かねえんだよ!
フェンスに駆け寄る光くん。
クラスメイト
クラスメイト
助けに行かないんじゃないよ、
助けに行けないんだ!
逢沢 優希
逢沢 優希
どういうこと?
クラスメイト
クラスメイト
鍵が閉まってるんだよ。
あのままじゃ、あの子死んじゃう……っ
逢沢 光希
逢沢 光希
くそっ
光くんはフェンスをよじ登っていく。
あなた

光くん、危ないよ!

あなた

(落ちたら怪我どころじゃないっ)

逢沢 光希
逢沢 光希
人の命がかかってるんだ、
危ないとか言ってられねえ
光くんは器用にフェンスを登っていき、
すぐに向こう側に辿り着いた。

そして迷いなく、プールの中に飛び込む。
あなた

(光くん、どうか間に合って……!)

両手を握り合わせて祈っていると、
逢沢 優希
逢沢 優希
光なら大丈夫。
きっと井上さんを助けるよ
優くんが私の肩を抱き寄せてくれる。
逢沢 光希
逢沢 光希
ぷはっ
少しして、光くんが水面から顔を出した。
あなた

光くん!

井上さんを抱えて、
プールサイドまで泳ぐ光くん。

そしてなんとかプールサイドに
井上さんを引き上げた。
逢沢 光希
逢沢 光希
死ぬなよ、井上!
光くんがすばやく気道を確保したおかげで、
井上さんはかはっと水を吐いて、
すぐに目を覚ました。

様子を見守っていた生徒たちが、
安堵の息をつく。
あなた

本当によかった……

へなへなとその場に座り込むと、
私はフェンスをぎゅっと握る。
あなた

(いったいあと何人殺せば、
気が済むの……?)

***

井上さんを助けた翌日、登校すると、
教室は異様な空気に包まれていた。

私が中に入ったとたん、
会話がパタリと止んだのだ。
井上
井上
ねえ、どうして私にプールに
行くなって言ったの?
あなた

それは……

井上
井上
ありえないけど、でも……
次に私が死ぬって、
わかってたみたいじゃない?
あなた

(怪しまれてる……。
でも、あんな言い方したら、
変に思われて当然だよね)

だけど、あのときは必死で、
疑われない伝え方なんて思い浮かばなかった。
クラスメイト
クラスメイト
この呪いも、お前が
原因なんじゃないのか?
あなた

そんな……っ

あなた

(でも、イジメがきっかけで
呪いが始まったのだとしたら、
私も無関係じゃない)

反論できないでいると、
クラスメイト
クラスメイト
黙ったってことはそうなんだろ。
もしかして、お前を殺せば呪いが
終わるんじゃないのか
ざわざわとしだす教室には、
かすかに狂気が満ちている。
逢沢 光希
逢沢 光希
さっきから聞いてれば、
好き勝手言いやがって。
なんの根拠もないのに
こいつを疑うんじゃねえ
光くんが私を庇うように
前に立ってくれる。
逢沢 優希
逢沢 優希
みんな落ち着くんだ。
いろんなことがありすぎて、
今は疑心暗鬼になってるんだよ
優くんがみんなの注意を引くように、
教卓の前に立つ。
クラスメイト
クラスメイト
でも、私たちが助かる方法があるなら、
試してみる価値はあるんじゃないの?
逢沢 優希
逢沢 優希
精神的に追い詰められているときに、
結論は出さないほうがいい。
とにかく今は仲間を疑ってる
場合じゃないんだ
そう優くんがみんなを説得するけれど、
空気は変わらずピリピリとしたままだった。