第78話

78話
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2020/07/20 21:49
ところどころ痛い身体を無視して走る。

私は、とにかく鬼舞辻に近付いて、、、
櫂醨:舞の呼吸、陸の型、歌舞優楽・狂。
私は舞った。

鬼舞辻を斬るために。

そしてついに、鬼舞辻が他の相手をしているときに私は刀を振った。

一度じゃダメ。

脳と心臓を全て斬るように。

私には透き通る世界なんて見えないけれど、

私は選ばれた人間ではないけれど、

私も皆と同じくらい鬼舞辻から奪われたものがある。

そう思って、勢いよく斬った。

二振り目、三振り目、四振り目、、、

何回も振り、鬼舞辻は爆発した。

その破片を柱の皆や炭治郎達が全て斬ってくれたみたいで、私達は鬼舞辻に勝ったのだ。

鬼舞辻は最後消えるまでずっと私のことを貶していたようだが、全く気が付かなかった。

そして、私の意識は途絶えた。
勝己side

櫂が、あの鬼舞辻って奴を八つ裂きと言って良いほど斬った。

その驚きより、まず櫂だ。

あんなに怪我してんだよ、、

俺はすぐに駆け寄った。

先生達がもう救急車を呼んでいてくれたらしく、櫂は運ばれていった。

いや、櫂だけじゃねぇ。

鬼殺隊って奴らも全員。

櫂、本当に、そんなのいつの間に入ったんだよ、、

知らねぇよ、そんな隊になんか、入ってなかっただろ。

他の奴らは、皆口を閉じたまま俯いている。

教室でも誰1人口を開けなかった。

しかし、その沈黙を破ったのは半分野郎だった。
焦凍:櫂、、、俺、、達だけのためだけじゃねぇと思うけど、俺達一般人のために倒してくれたんだ。俺は、、櫂のいる病院に行く。お前らも、、行くよな、、、?

皆:っ!!

麗日:行くにっ、、行くに決まってるっ!

八百万:そうですわ、、

上鳴:そ、そうだよ、、な。も、もしかしたら、今沈んでるかもしれねぇしっ!!

瀬呂:そ、そうだな!!

切島:皆で行ったろうぜ!!

皆:うん!!
病院に半分野郎が連絡してみると、まだ目覚めていないだとか。

そうだ、あんなに怪我したんなら仕方ねぇ、、よな。

目覚めたら連絡してくれるらしい。

そして、その連絡がくんのは1週間後だった。
櫂醨side

さっき、さび兄に言われた。

痣のこと。

怒りはしなかったけれど、怒りを隠している感じがした。

私は馬鹿だけど、さび兄の気持ちが分かる。

ごめんね、痣を出さない方が良いって言ってたのはさび兄だったの、忘れてたんだ。

もしさび兄に痣が出たら、あと少しの限られた寿命の中で私はさび兄に接しなきゃいけない。

だったら、もしかしたら私がこのままさび兄とすぐに会える距離にいたらいけないんだろうか、、

前世と同じ死に方をする私も、本当に馬鹿だよね。

また25歳の命か〜

全部で50歳。

2回生きても、誰か1人の寿命分しか生きられないなんて。

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