櫂醨side
私の誕生日は1月5日。
今は12月28日。
皆の活躍は全部知ってる。
出久みたいに、できるだけ皆の情報を、、、
私は、25歳で死んでしまうかもしれない。
体力だって、痣が出る前と比べたら段違いに落ちたんだ。
もう走れない。
もう長い距離歩けない。
でも、体力が無くなったら本当に死んでしまうかもしれないと思って、毎日毎日歩いてる。
今住んでいるところは、おじいさんおばあさんしか周りに住んでいない一軒家。
ド田舎。
遠くまで歩くのは毎年初詣だけ。
今年はいけるかな、、
前世通りだったら私は後数日で死んでしまうのだけれど。
しのぶからもらった薬は毎日欠かさず飲んでいる。
私だって死にたいわけじゃない。
生きたい。
『同窓会の帰り』
出久:かっちゃん、、、あのさ、言いたいこと、、あるんだけど、、
勝己:なんだよ。
出久:(珍しく聞いてくれてる、、)あの、、櫂ちゃんの誕生日って、、
焦凍:何日なんだ?!
出久・勝己:?!
出久:と、轟くん?!
勝己:なんで半分野郎が、、
焦凍:俺は櫂の誕生日を知らない。でも、、お前らの反応見てると、、近いんだろ、櫂の誕生日!!教えろよ!!俺はっ、俺は櫂に死んでほしくねぇんだよ!!好きな、、好きなやつに死んでほしくねぇんだよ!!
勝己:お前に関係ねぇだろ。
出久:か、かっちゃん!!(行っちゃった、、)
焦凍:緑谷!!教えろ!!緑谷も、知ってんだろ!!
出久:えっ、あ、うん、、でも、、
焦凍:なんだ?
出久:本当に、、間に合うか、、
焦凍:良いから。
出久:櫂ちゃんの誕生日は、、、、、
焦凍side
早く、、
早く見つけねぇと!!
俺は今まで何をしてきたんだよ。
『櫂ちゃんの誕生日は、、、、、8日後、1月5日なんだ。』
『え、、、、、』
『僕も、、いや、僕もかっちゃんも、櫂ちゃんを探したいんだ。でも、どこか分からない。「日本のどこか」じゃ分からない。だから、、、』
『諦めたくねぇ!!、、、なぁ、櫂との、、思い出の場所とかねぇのかよ、、』
『櫂ちゃんとの?』
『あぁ!!!知ってるやつにも会わずに、静かに暮らせるところ。で、ここからもそう遠くない場所だ。』
『静かに暮らせるところっていうのはわかるけど、、どうしてここからそう遠くない場所、、、?』
『胡蝶さんに薬もらってんだろ。毎回毎回遠くから来るのも難しいだろうし、聞いたんだ。お前らが帰った後、錆兎に。痣ができるとどうなるか。』
『え?それは25、、歳にっ、、』
『それだけじゃねぇ。錆兎も聞いただけだが、前世の櫂はどんどん体が弱くなっていったらしい。』
『!!そういうことか!!』
『あぁ。だから、、ねぇのか?旅行に行った場所とか、、ここから近すぎず遠すぎねぇ思い出の場所。』
『、、、、、ごめん。行ったところは1つじゃない。かっちゃんと話してみても良いかな。できるだけ、、いや、明日連絡する!!』
『、、、分かった。ありがとな。』
遅くならねぇように、、
ゼッテェ間に合わせてみせる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!