車椅子に乗り、轟くんに押してもらう。
今日、轟くんの誕生日なのに、こんなことさせて、、
祝ってあげたいな。
櫂醨:ねぇねぇ、轟くん。
焦凍:なんだ?
櫂醨:帰ったらさ、ケーキ食べよう?轟くん、誕生日でしょ?
焦凍:別に、ケーキなんて、、
櫂醨:轟くん、ケーキ嫌い?
焦凍:っ、、、嫌いじゃねぇけど、、
櫂醨:じゃあ、食べようね。ケーキ食べるの何年ぶりかなぁ。田舎だとケーキ食べる機会なんてないからね。
焦凍:櫂の誕生日のときとかは?
櫂醨:、、、私、あの頃は自分の誕生日、嫌だった。死んじゃうカウントダウンみたいで。
焦凍:あっ、、、悪りぃ。
櫂醨:ううん、大丈夫!!しかも、これからは自分の誕生日、楽しみだよ。前世はギリギリ24歳で死んじゃったから、たくさん生きたいな。
焦凍:ふっ、、、そうだな。
櫂醨:轟くん、私の携帯、取ってくれる?
焦凍:ん?おぅ。
櫂醨:ありがと。『ケーキを注文する』
焦凍:何してんだ?
櫂醨:ケーキ注文したの。場所はここで病院だけど、後でお医者さんに言えば届けてくれるでしょ?あとね、ショートケーキだよ。焦凍だから!!
焦凍:っ、、そうか。
櫂醨:ヒーロー名もショートだし、名前も焦凍だし、髪の毛もショートケーキっぽいから、轟くんはきっとショートケーキ、好きになれるよ。あ、もしかしてもう好き?
焦凍:別に嫌いじゃねぇけど、、、って、俺の名前と容姿は関係ねぇだろ。
櫂醨:そうかもね。ニコッ
焦凍:(昔の櫂と比べたら少し大人っぽいけど、櫂の誕生日前にあった櫂と比べたらスッゲェ元気になってる、、やっぱ嬉しいんだな。)
櫂醨:そうだ、私ね。全然あの場所から出なかったの。だから、今度、前皆と言ったショッピングモール行きたいな。
焦凍:あぁ、連れてく。
櫂醨:そうだ、あと、轟くんオススメの蕎麦屋も教えて?
焦凍:勿論だ。
櫂醨:、、、ふふっ、今まで我慢して来たんだよ。だからね、行きたいところ、たくさんある。
焦凍:俺が、全部連れてってやる。
櫂醨:ありがと、、あ、でも、轟くんヒーロー活動で忙しいでしょ?女性ファンも多いし、よくテレビにも出てるし。
焦凍:なんで知ってんだ、、、
櫂醨:クラスの皆が出てるテレビは全部録画してるんだよ。やっぱり、私も寂しかったから。
焦凍:なんか、恥ずいな。
櫂醨:そ〜う?
焦凍:っ、、、おぉ。////
櫂醨:アハハッ、轟くん、反応が面白いね。高校生のときと、あんま変わってない。
焦凍:ムッ、、馬鹿にしてんのか?
櫂醨:してないよ、うん、してない。変わっていなくて、逆に嬉しい。
焦凍:ん、、、そうか。(俺の気持ち、マジでなんで忘れんだよ、、)
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。