撮影部屋から戻ったふたりは、
何やら真剣な顔をしていた。
深刻な事だったのかな…
そう言って私のほっぺをつまむ。
そう言って私のほっぺをぷにぷにする。
やーめーてー
ボソッて言われた言葉は、
私の耳に届く。
ズキッ
言い方がなんか本気っぽかった。
嫌われた…かな…
カンタさんの顔を見ると急いでそらされた。
ズキッ
また胸が痛くなる。
どっかいっちゃう…
勇気を出してみた。
怖くて、カンタさんの顔は見れない。
トミーさんがカンタさんにお願いする。
そう言って、
部屋に戻ろうとする。
そう言いながらカンタさんの腕を引っ張る。
よろしく〜って言って、
私とカンタさんの背中を押し
玄関の外にポイってされた。
私達はコンビニの道のりを、
ただただ黙って歩いた。
コンビニにつき、
それぞれ買い物をして家路につく。
それにしても…
なんで冷たいんだろう…
先に口を開いたのはカンタさんだった。
カンタさんの質問が
よく分かっておりません!!
いや~自分では鈍感だと思ってない。
でも鈍感だとはよく言われる……
なんて悩んでたら、
なんでもないって言われた。
またいきなりの質問に、
戸惑う私。
好きな人は……
貴方です……
そんな事考えてたら、
なんだか恥ずかしくなり
カンタさんの顔が見れない。
え!?!?
ば、ば、ばれた!?!?
誰を予想してるんだろう。
でもわかったって言ってたし…
え!?どーゆうことだろ。
カンタさんは、
あたしの前を歩き始めた。
忘れて…?
ごめんね…?
私、これ振られてないよね????←
何が何だか分からなくなった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!