第22話

22.もちません
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2019/02/20 11:13
そして、お祭り当日。








母さんに可愛くヘアアレンジして貰って、
普段よりも気合を入れてメイクもした。



待ちに待ったお祭りの日。




緊張して、
いてもたってもいられず、


カンタさんとの待ち合わせの時間より
少しだけ早く出た。



早く行って早く会いたい。






母さんに駅まで送ってもらい、
電車が来るのを待った。









うわっ……




お祭りってこともあり、
電車は満員。




だけど…この電車乗りたい…






別にひとつ次の電車でも余裕で間に合うんだけど、

どうしてもカンタさんより先に着きたい。




思い切って満員の中を乗った。






人に流され、どんどん真ん中へ。




せっかくセットしたのに…



崩れるのが嫌で、
だけど身動きがあまり取れず

乗るんじゃなかったと少し後悔した。












ぎゅっ





目の前が急に暗くなる。


誰かに前から抱きしめられた。





ひっ…痴漢…?







上を見上げるとそこには
よく知る人。







な、なんで…









カンタ
カンタ
ほんっっっと、馬鹿……

耳まで真っ赤に染めて、
私を強く抱きしめるカンタさんがいた。


あなた

カカカ、カンタさん…

カンタ
カンタ
……うるさいよ。電車では静かに。

ぴったりフィットするくらいの背丈。


カンタさんのぬくもりと、
抱きしめられてる恥ずかしさで、

一気に熱くなる。







微かに聞こえるカンタさんの鼓動。




私と同じくらい早かった。


それに気づき余計に熱くなる。





ド、ドキドキが移っちゃう……




もう乱れとかどうでも良くなってしまった。














目的の駅に着いた頃、
みんなもちろん同じ駅で降りる。


その流れに沿って、
私達も一緒におりた。




ホームにつき私達は急いで離れる。





カンタ
カンタ
い、いこっか…
あなた

はい……


カンタさんの後ろをついて歩く。




ただ人が多すぎて迷子になりそうだった。


ま、待って……




頑張って追いつこうと早歩きになる。







グギッ



足をくじき、
その場にしゃがみ込んだ。






いったぁ……



カンタ
カンタ
ごめん、早かったね。ほら、掴んで。

手をさし伸ばしてくれるカンタさん。


あなた

はい…


手を借りて起き上がった。





大丈夫…歩けそう…



カンタ
カンタ
いこっか

手は繋いだまま歩こうとした。

あなた

カ、カンタさん…手…

カンタ
カンタ
……危ないから繋いでて



そう言って、また耳まで真っ赤にする。









心臓もたないよ…







お互いの鼓動が、
恐らくお互い伝わってるだろう。






貴方は、今どんな気持ちですか…?








私はもう…




嬉しくて死んじゃいそうなくらい…



貴方が好きです…







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