第2話
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そう言って俺を起こした彼女は、
袖をひき、腕時計の文字盤を見せた。
ヘアセット中にうとうとしてしまった俺は
撮影時間まであと10分に迫っていることに気づかず
バタバタと焦って支度を始める
見ていたのがバレて、ぱちりと目が合う。
なんとなく気になっただけ。
そう思いながら、楽屋を後にした
◇
長い撮影が終わり、みんな少しずつ帰る支度をする。
いつものように、バッサリ断られ、
いつものようにメンバーに笑われる。
たまには一緒に行ってくれたっていーじゃん…
俺が至極まじめに答えると、
呆れたように首を振ったあなたは、
俺と1つ違いのランペのヘアスタイリストで、
高校時代のバスケ部マネージャーの先輩。
そして、俺の好きなひと。