第14話
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昼下がり。
スタッフさんにご飯に行かないかと誘われていたら
後ろから、ぐっと肩に重さがかかり体が傾く。
そんな約束してないのに、
驚く私の口を手で塞いでそのままズルズルと。
ズルズルと(2回目)引っ張られた先は、
3時間ほど前に彼をセットした楽屋、ではなく
その2つ先の空き室。
パッと離れた手が、少し寂しい。
俯いたままそれっきり話さない吉野くんに近づいて
顔をあげると、彼は困った顔をしてた
眉をまた下げて、
なんだかしゅんと垂れた耳まで見える吉野くんが
私を引き寄せて肩に頭を預けた。
好きすぎて、
私だってずっとドキドキしているのに
ぐりぐりと頭を押しつける吉野くんが愛おしい
うんって頷くと、
ちゅってキスして嬉しそうに笑った