_________さてと、
あの場を離れたのは良いものの、
これからどうしようか?
…未だに太宰は目覚めない
生きているはず
何と無く、心臓の音が聞こえる
まだっ、…生きてるはずなのにっ…、
なんで目覚めないの、…?
___________________________チュッ、
…前の出来事を思い出した、
私が、…現実を夢だと思い込んじゃった時
あの時、…此奴に私のファーストキス奪われたっけ、…?
…恨むよ、一生…
そう呟きながら、太宰の顔に自分の顔を近づける
___________________________チュッ、
…軽く、少しだけ触れるだけの接吻
此奴なんかっ、…大っ嫌いだよ
いつも自分勝手で、何も考えないし
いつもウザくて毎日仕事を押し付けるし、…
…迷惑だよ、御前になんか出会いたくなかった…
なんなら武装探偵社も辞めて、ポートマフィア側に行こうか迷った時もあった
でも、…其うしなかった
ポートマフィアに行っちゃったら、御前に負ける様な気がして
御前が育った場所には、行きたくはなくて
御前が手を差し伸べてくれたあの日が、無駄になってしまうようで
何時も御前をウザく思いながら、生活していくのが当たり前になてしまったのが悔しくて
っ、…嗚呼、可笑しいなぁ、…
何で私、こんなにも嫌いな奴に構ってるんだろ、…
…こんな奴、此処らへんに捨てておけばいいのにっ、…
でもっ、…何故か其んな事が出来なくて
…悔しい、…
また皆んなで、此奴と、莫迦やってたいって思う自分が居る
…だから、…
だからさぁっ、…!
ガリッ、…
太宰の下唇を、
少々血が出るくらい噛んだ
泣いている途中、急に声を掛けらた
何かの嫌な予感がして、
太宰をギュッと強く抱きしめた、…
…誰、この人っ、…?
怖いっ、…太宰っ…
男を、睨んだ
此奴は只者じゃない
…異能力者だ、…
名前なんて、…気安く言っていいのか?
それにこう言うの、其方から名乗るのが常識じゃん…
…只管、男を睨む
金髪の男が暗闇の中に消えると同時に、
赤毛の三つ編みの女が、現れた
…又っ、…嫌な予感がする、
早く此処を逃げっ、…_________
気味悪く、ニタァ、…と笑う赤毛の女
私と太宰はいつの間にか、子供の部屋のような場所にいた
っ、…矢っ張りっ、…
此奴も異能力者だったかっ、…!
…何かを企んでいるのか、此奴っ…!?
何だあれっ…!?
でっかい人形、…?
にしては、…デカすぎるし奇妙だ…
人質って、…何をっ、…!?
しまっ、…!!!
っ、…こう言う肝心な時に、
なんで彼奴はまだ目覚めないんだろ、…?
ガチャンッ!!!
は?誰よ、喋っているのは、…?
あの男は、死んでいる筈っ…
其れじゃあ、誰がこの部屋にっ、…!?
考えた事無いし…
なんなら、あの女のどこが良いのよ、…?
はぁ!?なんで助かってる訳っ…!?
真逆っ…部屋の中の手を全て壊して、…
扉を壊して部屋を出たのっ…?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。