第26話

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2026/05/07 23:36 更新
帰り道も、もちろん一緒。

朝と同じように手を繋いで、ゆっくり歩く。

でも——

ふとした瞬間に、思い出す。

3人で笑っていたあの時間。

少しだけ、胸がきゅっとなる。

その変化に、自分でも気づいてしまう。
海斗
海斗
…どうした?
(なまえ)
あなた
えっ、
海斗
海斗
さっきから静か
ちゃんと見てる。

すぐ気づく。
(なまえ)
あなた
…ちょっと、思い出してた
(なまえ)
あなた
前は、3人だったよな、って
一瞬だけ、沈黙。

でも次の瞬間——

ぎゅっと手が強く握られる。
海斗
海斗
…そうだな
優しい声。

否定もしないし、無理に明るくもしない。
海斗
海斗
でも、今は俺の隣にいろよ
まっすぐな言葉。

逃げ場なんてないくらい、真っ直ぐ。
海斗
海斗
ちゃんと、幸せにするから
その一言に、胸がいっぱいになる。
(なまえ)
あなた
…うん
自然と笑顔になる。
そして、また歩き出した。
あの日から、季節がひとつ巡った。

隣には、変わらず海斗がいる。

当たり前みたいに手を繋いで、
当たり前みたいに「好き」と言い合って。

でも——それが“当たり前”になるまでには、ちゃんと時間がかかった。
海斗
海斗
あなた、ちょっと寄ってかない?
(なまえ)
あなた
いいけど、どこに?
海斗
海斗
公園
(なまえ)
あなた
うん、わかった


夕方の公園。

オレンジ色に染まる空の下、ブランコが静かに揺れている。

そこに——もうひとり、見慣れた姿があった。
(なまえ)
あなた
…うみ…
思わず名前がこぼれる。

振り向いた海人は、一瞬だけ驚いた顔をして——すぐに、いつもの少しだけ皮肉っぽい笑顔に戻る。
海人
海人
よ、遅い
海斗
海斗
お前が呼び出したんだろ
海斗が軽く言い返す。

そのやり取りが、少しだけ懐かしい。

でも前とは違う。

空気が、ほんの少しだけ大人になっていた。



3人で並ぶ。

でも、あの頃みたいに無邪気ではいられない。

少しの間、沈黙が流れる。

最初に口を開いたのは——海人だった。
海人
海人
…ちゃんと付き合ってんじゃん
(なまえ)
あなた
…うん
海人
海人
そっか
短い一言。

でも、その中に全部が詰まってる気がした。
海人
海人
さ、じゃあ確認な
その一言で、少し空気が変わる。
海人
海人
俺ら、これで終わりじゃねぇからな
海人は少しだけ笑って、肩をすくめた。
海人
海人
幼馴染だろ、元々
“元々”。

その言葉が、すっと胸に落ちる。
海人
海人
形は変わっても、関係まで終わらせるのはもったいないなって
少し照れくさそうに言うその姿に、胸が熱くなる。
海人
海人
…っていう、俺のわがまま
(なまえ)
あなた
…うみ……
言葉が詰まる。

でも、ちゃんと伝えたい。
(なまえ)
あなた
ありがとう
まっすぐに言う。

海人は一瞬だけ目を逸らして——
海人
海人
こちらこそ
ぶっきらぼうに返す。

でも、その耳が少し赤いのを、あなたは見逃さなかった。
海斗
海斗
…じゃあ!前みたいに戻るか!
海斗が軽く言う。
海人
海人
いや、それはやめて?無理だわ笑
海斗
海斗
なんでだよ
海人
海人
距離感おかしいカップルいてる時点で無理、笑
海斗
海斗
誰がだよ笑
海人
海人
お前らだよ笑
久しぶりに、3人で笑う。

あの頃と同じようで——でも少し違う笑い方。

それでも、確かに繋がってる。
海斗と2人で並ぶ帰り道。

海斗
海斗
…あなた
静かなトーンで呼びかけた。
(なまえ)
あなた
なに?
海斗
海斗
本当に、選んでくれてありがとな
その一言に、胸が温かくなる。
(なまえ)
あなた
…うん
海斗
海斗
これからも、もっと好きになるからな
海斗
海斗
覚悟しとけよー?
(なまえ)
あなた
何それ笑
笑いながらも、心臓は跳ねる。


そして、別れ際。

海斗はそっと、優しく

あなたを抱き寄せた。
海斗
海斗
大好きだよ
耳元に届く、温かい声。
(なまえ)
あなた
…私も、大好き
はっきり言う。

もう迷うことはない。



季節がまた巡っても、

関係が少しずつ変わっても、

あの日の気持ちは、ずっと変わらない。


幼馴染だった3人は、

それぞれの想いを抱えて、

それぞれの場所で前に進んでいく。


そして——

あなたの隣には、これからもずっと。

当たり前みたいに、海斗がいる。



その手を、もう離すことはない。



end.

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