いつも通り家に帰ってきたらあなたが男の俺でもさすがにひよるぐらいすごい形相で見てきます 。←
〈 ただいま〜 〉
《 ... 》
〈 なあ 、なんでそんなに機嫌悪いん 〉
《 自分で考えたら分かるやろ 》
〈 わからんから聞いてんねんけど 〉
《 駿くんがそんなに無神経とか思ってなかった 》
〈 言うてくれな分からんからちゃんと言うて 〉
《 今日女の子と歩いてたやん 、私見たもん 》
〈 いやあれお姉ちゃんな 〉
《 絶対嘘や 、顔似てなかったで 》
〈 それはあなたもお兄ちゃんと顔似てないやん 、それと一緒 。 〉
《 でもなんで二人で歩いてるん 》
〈 真ん中のお姉ちゃんもうすぐ誕生日やから 、1番上のお姉ちゃんとプレゼント買いに行ってただけ 〉
《 ほんまに? 》
〈 俺嘘ついたことないやろ? 〉
《 いやさすがにそれはある 》
〈 あ 、ばれた 。でもほんまに今回のはお姉ちゃんやから安心して 〉
《 今回は信じる 》
〈 次は疑われんの? 〉
《 おん 》
〈 じゃあ次からお姉ちゃんと歩く時とかちゃんとあなたに言うわ 〉
〈 それでいい? 〉
《 うん 、それでいい 》
〈 じゃあ仲直りしよか 〉
《 するっ 》
〈 てかあれやで 、あなたもお兄ちゃんと歩く時言うてな? 〉
〈 俺お兄ちゃんの顔知らんからそれこそ浮気やと思うで 〉
《 分かってるわ 、そんなん 》
〈 俺のこと好きやから嘘つかれへんねんな 〉
《 そやで嘘つかれへん 》
〈 てことでだいすきって言うて 〉
《 意味わからんやん 、きらい 》
〈 それは嘘や 〉
《 いや私嘘つかれへん 》
〈 お願い嘘って言うて 、泣いちゃう 〉
《 泣かへんの知ってる 》
〈 もうしらんっ (泣) 〉
《 演技力使うんはせこいやろまじで 》
〈 え? 〉
《 ほらな 、泣いてへんやん 》
〈 でも嘘って言うて 〉
《 ちゃんとだいすきやから 》
〈 俺もだいすきやで 〉
《 駿くんちゅき ♡♡♡ 》
〈 きっしょ 、精神科行こ ← 〉
《 おい笑 》
おしまい 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!