第23話

First Love 22
441
2022/01/02 14:03




あなた's side









今日は良平の帰りが遅くなるから、マネージャーさんに送ってもらった。


今朝の引渡しの時に昨日の醜態を良平に暴露され、マネージャーさんも思いっきり呆れていた。

しかも、禁酒宣言のことまで話され、家のドアを閉める時「初日から、禁酒できなかったって事にならないようにしてくださいね!」と念を押される始末・・・。





冷蔵庫を開け、晩ご飯と直ぐに食べれるツマミのメニューを考えていて、思わずビールに手がかかっていることに気づき、扉を閉めてしまった・・・。
あなた
習慣って恐ろしい・・・。
こんな時はささっとご飯を済ませ、映画でも見よっかな。
大好きなディズニー作品も良いし、ジブリも洋画も捨てがたいな・・・。




そう思ってどれを見ようか選んでいる時に、スマホが鳴った。

画面を見ると、1ヵ月ほど前にお別れをした秋山くんからだった。

正直、こんな時だし出るのを一瞬躊躇ったけど、何となくこの電話を取らないと、自分が後悔するような胸騒ぎがした。
あなた
・・・もし、もし?
秋山 翔吾
・・・出たっ!?
あなた
人のことをお化けみたいに言わないでよ!
掛けてきたのは、そっちでしょ?
秋山 翔吾
ごめん・・・。
まさか出てもらえるなんて思ってなかったから。
あなた
出るよ、友達だし・・・。
だけど正直迷った。
秋山 翔吾
だよな?本当にごめん!
だけどさ、最期にもう一度会えないかな?
あなた
それは・・・できない。
秋山 翔吾
これで本当に連絡するのも最後にする!
だから、俺に時間をくださいっ!



良平はストーカーが秋山くんだと疑ってるから、絶対行かない方が良いって言うだろうけど、秋山くんの声が余りにも必死すぎて、簡単に断ることができなかった。
あなた
・・・・・・分かった。
ただし、私が今から言う条件をのんで!
それじゃないと、会うことはできない。




マネージャーさんに同席してもらうこと。
私とマネージャーさん以外の第三者が周りにいて、広い空間であることを条件に会う約束をして、電話を切った。



それから直ぐにマネージャーさんに電話をかけ、秋山くんに会う時に一緒に来てもらうようお願いの電話をした。
マネージャー
分かりました。
明後日の収録終わりの14時半に最寄り駅でどうでしょう?
あなた
それでお願いします。
先方には、私から連絡しますね。
マネージャー
木村さんもこの事は、知ってるんですよね?
あなた
いやっ・・・。良平には・・・。
マネージャー
えっ?!どうしてですか?
あなた
なんて言うか・・・。
良平は、今回のストーカー候補が彼だと思ってるので・・・
マネージャー
はあぁぁぁ!?
何でそんな人と会うんですか!?



仕方ないので、マネージャーさんにも今までの経緯を話をすることになってしまった。

この歳で、自分の異性の交友関係をマネージャーに報告しなきゃいけないなんて・・・。

情けないような、申し訳ないような・・・。
あなた
だけど、私は秋山くんがストーカーだとはどうしても思えないの!!

それに、これを逃してしまうと本当に会えなくなってしまうような気がして・・・。
マネージャー
だからって・・・。
こんな時に・・・。
あなた
分かってる!
自分が置かれてる状況を考えたら、会うべきじゃないのかもしれない。
だけど、これが本当に最期のお別れになってしまうなら、ちゃんとお別れがしたいっ!
マネージャー
・・・・・・あなたさんがそこまで言うのなら、分かりました。
ただし、相手方の要件が済んだら、直ぐに移動することを約束してください。
あなた
分かった!
あと、この事。良平には内緒にしておいて!
言ったら、会わせてくれない気がするから・・・。
マネージャー
・・・はぁ〜〜。
私は木村さんにもご報告した方が良いと思いますけど、分かりました!
あなた
ありがとうございますっ!
マネージャー
もうこんな事はこれっきりにしてくださいね!
あなた
しますっ!もうしません!!



その時、良平が帰ってきた。
あなた
あっ!?良平帰ってきたので切りますね?
明後日、お願いします!!
木村 良平
ただーいま!
あなた
おかえりっ!!
私は慌てて電話を切り、良平を迎え入れた。
木村 良平
誰かと電話してなかった?
俺に気遣わないで、話してれば良かったのに。
あなた
マネージャーさん!
ちょうど要件が終わったとこだったから、大丈夫!!

ご飯、食べてきたんだっけ?
木村 良平
うん!ノブと食ってきたから平気。
朝に言わなかったっけ?
あなた
そうだ!ノブ君とね!
聞いてた聞いてた!!
最近、物忘れが多くて嫌だね・・・。
木村 良平
なんか変だぞ?あなた。
あなた
そ、そう?
そんなこと無いと思うけどな・・・。
木村 良平
いーや、怪しい!
お前、俺に何か隠してないか?




良平が段々とこちらに近づいてくる。
思わず後退りをし、壁際まで追い込まれてしまった・・・。
良平との距離が、めっちゃ近い・・・。



何でこんなにも早くに勘づかれるの!?
あなた
そうだ!お風呂!!
お風呂入ろうと思ってるとこに電話きたんだった!

良平、先に入る?
今なら一番風呂だよ!!
木村 良平
誤魔化すなっ!
あなた
じゃあ、私、先に入るね?
いってきまーす!
無理やり話を終わらせ、私はお風呂場へ逃げ込んだ。


こんな状態で、明後日までやり過ごせるんだろうか?
一抹の不安を抱えながら、お風呂に入ることにした。










to be continued・・・





あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

1ヶ月も放置してしまい、すみません💦
ちょっとバタバタしており、書く時間が取れなかったのですが、年明けと共に再開させていただきます。

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