Ryohei's side
とりあえず、しばらく暮らせるだけの荷物を運び出し、それ以外に必要なものは随時マネージャーさんにお願いをして、取りに行ってもらうことになった。
数時間前に出かけて、大きな荷物とともにまた家に帰ってきた。
あなたのメンタルを考えたら、買い物なんて行けるわけないしな・・・。
あなたがぎこちないけど、少し笑った。
まだ少し引き攣った笑顔だったけど、無理してでも笑えるだけまだ良かった・・・。
コーヒーカップを2つ持って、ソファに向かう。
お互いにコーヒーを一口飲んでから、本題へと入る。
あなたは首をブンブン横に振るだけだった。
ちょっと落ち着いていた震えが再び戻ってきてる。
俺はあなたの肩を撫でて、少しでも安心できるようにした。
自分の身を守るように、あなたが体を小さくして前かがみにしていくから、これ以上この話をするのは難しいと思い、犯人に関する話をするのを止めることにした。
あなた's side
そう言われると、やっぱり自分は女として見られてないんだと思い、胸が苦しくなった。
気持ちがざわざわしたけど、これからは一緒に暮らしていくんだから、気まずくならないようにしなきゃ!
そして同居する上でのルールを話し合い、私は荷解きをして、明日以降の仕事の台本チェックをした。
晩ご飯は初日ということもあり、良平が作ってくれた。
「初めて」って聞くと、やっぱり嬉しく思ってしまうのは惚れた弱みだろうか・・・。
口角が上がらないように我慢するのに必死だ。
同居初日ということもあり、お風呂を先に譲ってもらった。
Ryohei's side
あなたにとっては今日が辛い日だった筈だけど、俺はあんな事があったからこそ、どうしても傍に置いておきたかった・・・。
あなたを独りにはさせたくなかった。
早く犯人が捕まれば良いと思う反面、この生活が一日でも長く続けば良いと思ってしまう。
そんな事を考えてしまうほど、俺の中であなたの存在が大きくなってるんだよな・・・。
ハイボールを飲みながらそう思っていたら、風呂からあなたが戻ってきた。
そう言って、あなたがその場でクルっと一周回った。
部屋着はコットン素材のキャミソールにショートパンツ、上から丈の短いガウン風のものを羽織り、髪の毛は頭の上にゆるくお団子にしていた。
確かに可愛い!
そして似合ってる!!
だけど、無防備過ぎるだろ・・・。
本当にどこまでも人の気も知らないで・・・。
俺は、これから自分の理性と闘いながらあなたとの生活を送ることに一抹の不安を覚えた。
to be continued
かわいい女子が着ると、めちゃめちゃかわいくなるあの感じの部屋着分かります?
ほんとに自分の語彙力の無さに絶望します💦
First Love 番外編を作ってみました。
まだお読みでない方は、お時間がありましたら読んでみてください😊
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。