第2話

ねぇ大丈夫じゃないよね?
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2019/05/31 12:20
藍沢「冴島、メスとドリルくれ。」

冴島「はい。」

白石「でも、なんで?」

藤川「まさか骨盤骨折、俺が思ってるより出血してるのか?」

緋山「とりあえず、頭と同時進行でやった方がいいかも。」

藤川「分かった。冴島、メスとドリル。」

冴島「はい。」


白石「……うっ…。」

緋山「白石?お腹痛いの?」

白石「ん?大丈夫、大丈夫…。」

……タラー……

白石「え?」

緋山「どうしたの?白石?……あっ…。」

白石「緋山先生…。」

……バタン……

緋山「白石!

白石「緋山先生、赤ちゃん助けて…。」

緋山「…藍沢、切迫早産になりかけてる。」

藍沢「え…。」

緋山「藍沢、確か白石今日で妊娠24週だよね?」

藍沢「ああ…。」

緋山「胎児の体重、750gあれば産ませられる。とりあえず、処置室に運ぶ。」

藍沢「もう少しで頭終わる。……よし、終わった。」

緋山「私、先に行って準備してくるから、藍沢は白石を運んで。」

藍沢「分かった。」

白石「赤ちゃん、助けて…。」

……パシャッ……

白石「…あっ…」

藍沢「どうした?」

白石「は、破水しちゃった…。」

藍沢「え…。急ぐからな。」


緋山「白石、エコーするよ。」

藍沢「処置室来る前、破水した。」

白石「緋山先生、どうしよう。」

緋山「白石、落ち着いて…。………うん、大丈夫そうだよ。800gはあるから。」

白石「まだ、小さい…。」

藍沢「大丈夫だ。産婦人科の緋山が言うんだ。……大丈夫だ…。」

冴島「白石先生。」

白石「冴島さん。…さっきの患者は?」

藤川「骨盤骨折からの出血が思ったより多かったが、無事助けられたよ。」

白石「良かった…。」

冴島「で、白石先生の方は?」

緋山「妊娠24週でおしるしと破水した。胎児の体重、800gあるからこのまま産ませる。」

冴島「手伝います。」

緋山「お願い。藍沢と藤川で白石の手、握ってあげてて。」

藍沢「ああ。」

藤川「分かった。」

緋山「白石、これから陣痛促進剤でもっと痛くなって来るけど、元気な赤ちゃん産もうね。」

白石「今よりも痛くなるの…。……う、うん。みんながついててくれるなら。」


それから1時間後。

白石「い、痛い…。…イタタタタ…」

藍沢「恵、頑張れ~。もう少しだ。」

白石「耕作うるさい。黙って~。」

藍沢「ガーーン…〈落ち込む〉」

藤川「どんまい。」

冴島「藍沢先生、変わります。」

藍沢「ああ、頼む。」

白石「あーー…。緋山先生、痛いよ~。息みたい……。」

緋山「白石、まだ全開じゃないから息まないで。息み逃しして。」

白石「えーー…。そんな……。……腰、痛い…。」

冴島「白石先生、腰さすりますね。」

白石「冴島さん、ありがとう。」

緋山「白石、今8㎝だからもう少しだよ。」

白石「うん。」

藤川「ほら、藍沢。白石に声かけて、手握って。」

藍沢「え、でも…。」

白石「耕作~。手、握って。」

藍沢「ああ。」

白石「いたーーーい。」

藤川「頑張れ、白石。」

冴島「白石先生、頑張って下さい。」

緋山「白石、全開になった。…次陣痛来たら、息んでいいよ。」

白石「う、うん。」

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