第3話

3話
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2021/08/01 23:06
声の方へ行ってみると、アホ毛の男の人が1人、三つ編みカチューシャの女の人が1人。
女の人の方が男の人の顔面に正拳突きをくらわしていた。
カリン
あ あんたなに!
変態!?
あなた
え、変態!?
つい声が出てしまい、2人の視線が自分に向けられる。
アカツキ
えっと、俺は入出アカツキと申します
とアホ毛さん.....入出さんが丁寧に挨拶をしてくれた。
アカツキ
けっして
怪しい者れあ
はりません...
カリン
怪しいわよ
どう見ても
右に同じく、です。
鼻血出てるし。
あなた
えっと、すいません.....ここは何処なんでしょうか
アカツキ
俺もそれが知りたいんですよね
と既に鼻血が止まった入出さんが答える。
あなた
な、なんなんでしょうか、3人揃ってゆ、誘拐されちゃったんですか?
カリン
そうね.....それに
何で制服なのよ.....夕べは確かにパジャマで寝たのに
...わたし起きて着替えた記憶なんてない
同じく、です。と私が心の中で同調していると
...でもね、と女の人が続ける。
カリン
この男が大嘘つきの誘拐魔かつ
着せ替え好きの変態登山家なら全部筋が通るのよ
.....うえっ...
あなた
ひぇ.....
アカツキ
やめてください
憶測で引くの
カリン
だってあんた怪しいんだもの
出会い頭に触ろうとしてたし鼻血だすし
あなた
さ、触ろうと.....!?
アカツキ
...裁判長
鼻血に関しては異議があり
カリン
却下
触ろうとしてた事には反論せず、鼻血に異議をつけようとし、あっさりとはねられた入出さんを無視し、女の人は続ける。
カリン
声だってなんだか.....
声?
そう言えば、2人とも聞いたことがあるような声だ。
カリン
わたし、記憶力には自信があるのよ
1度インプットしたら絶対に忘れないのに.....
アカツキ
言われてみれば俺も...
えっ?
アカツキ
君のそのトゲトゲした声にツンツンした態度
前にどこかで...
カリン
せい
またもや女の人が正拳突きをくらわした。
強い.....
アカツキ
空手部の主将かなにかですか...
私もそう思います。
カリン
ちがうわ
ホラー映画研究部書記よ
あなた
何書くんですか.....
アカツキ
怖い.....
そんな私たちをまたもやスルーして女の人は冷静に次の事を考える。
あなた
と、とりあえず早く下山しないとですよね.....?
アカツキ
そうですね、明るいうちに下山しないと
...クマでも出たら大変です
あなた
クマ...!?
カリン
や...やめてよ...
そういえば、さっき大きい足跡見た気が...!
カリン
あーもう
昨日からロクなことない!
カリン
「お迎えにあがります」って
まさかこのことじゃないわよね...
あなた
い、今なんて...
と言いかけたところで大きな音がし、私たちの近くに大きな足が来た。
その正体は、そこら辺の木よりはるかに大きな
パンダだった。

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