第34話

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2022/01/25 08:42
                                                                  太宰side
12年前にあなたを拾ったときは、目は何も映していなかった。只々……宙を写していた。

でも中也がマフィアに入ってからあなたは段々笑うようになった。

私は少し嫌だった。あなたが笑っているのはいいのに、何故か苛立った。

昔はそれを嫉妬だと気づくことが出来なかった。今はしっかり理解しているけど。

あなたが私の部下と話しているだけでも苛ついた。

私は段々この苛立ちの理由に気が付いた。

私はあなたに恋をしているんだ……と。

そして同時に自分には振り向いてくれないとも分かった。

何故そう思ったかって?あなたはおそらく中也の事が好きだ。

そして、私のことはなんとも思っていないのだろう。

振り向かせることも出来るが、私の思いでこれ以上あなたを振り回したくない。

そう思ったから、あえて何もしなかった。

私はこの想いに気づいた時点で恋の終わりを悟った。

同時にこの想いに蓋をした……。


筈だった。

振り向いて貰えないと分かっていても、この思いは消すことが出来なかった。

あなたの母があなたを虐待していることがわかったとき、私は目の前が赤く染まった。

そして、静かにキレた。

その時はきっと私の殺気はダダ漏れだったのだろう。

あなたの母がかなり怯えていた。

まぁそんな事気にもとめずキレ続けたけど。

しばらくキレてたらあなたが来ていた。

私は瞬間的に現実に引き戻された。

そして傷が痛んだ。あなたが本気で怒ったところを私はまじかに見た。

そして、あなたを止めないといけないと、心の何処かで思った。

本気で殺そうとした瞬間異能で止めた。

母がパトカーに乗るのを見ているあなたは儚く消えそうだった。

全てが終わる頃にはあなたのテンションは元に戻っていたが、明らかに変わったことがあった。

あれ以来 彼女はどんな時でも作り笑いをするようになった。

そして突然に本音を言うようにもなった。

彼女がマフィアの本部に行くと行った時、嫌な予感がした。

私は止めようとしたが、彼女は異能を使って行ってしまった。

彼女が行った後に国木田くんに


国木田独歩
おい太宰!さっさと仕事をしろ!
って言われたよ。

まぁやらずに帰ったんだけど。

家でずっと考え続けた。森さんが何を話しているのかを。

あの人の考えていることは私には想像もつかないことなんだろうけど。

私はあなたに本気で溺れてしまったようだ。

もし、あなたに好きな人が居るのなら私であって欲しいと願った。

…あなたは明日、探偵社に来るのだろうか?

そんなことを考えながら私は一時の眠りに就いた。








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