放課後になってあの子の教室に行く
教室にはまだ人が残ってるし、誰かに呼んでもらおうかな
あれ?
そういえば名前知らない
俺は一度トイレに行こうと鞄を自分の教室に置いて行った
トイレから帰って来て教室へ行くと彼女がいた
俺の教室は皆帰ったから1人
俺の机の傍に立って何かをしている
俺は廊下で隠れるようにして見ていた
……何してるんだろう?
不思議に思いながら見ていると
彼女は引き出しの中に何かを入れ
教室を出ようとした
まあ、廊下で見つかっちゃったんだけど
可愛い小さな奇声と共にびっくりする彼女
これは今さっきの光景のことだろう
申し訳ない気持ちと顔を真っ赤にしてる彼女を可愛らしく思う気持ちが混ざりあう
俯いたまま何も言わない彼女
しばらくして意を決したように顔を上げた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!