第7話

欠けた月に重なる
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2020/03/30 07:55
今日も月は綺麗で、そうかかれた手紙を読み返しながら見上げた月は中途半端に欠けた十日夜。

昨日の月は上弦の月だろうか。

どちらにせよ中途半端だ。

雲の隙間から見え隠れする月は確かに綺麗だけれどなんとなく中途半端に欠けてしまった月を見ると私に重ねてしまう。

血も、心臓も、友達も、欠けている。

本当は人生を楽しみたい。10代最後になってよくそう考えるようになった。

でも、私を愛してくれる両親や優しい看護師さん、

…はじめくん。

大好きな人が居るから、これ以上の幸せを手に入れたら壊れてしまうかもしれない、そう思うこともある。


もう一度空を見上げるとパラパラと雨が降りはじめた。

明日もきっと晴れだって言ってたのにもうすぐ今日が終わるって頃に雨降っちゃったな。

はじめくんに書いた手紙、本当だ、今日も晴れてたって書いたのに。

空も私も情緒不安定だ。


[LINE]

[はじめ:雨降っちゃった!もう寝てるかな?]


はじめくんの住んでるところでも雨、降ってるんだ。不思議だな、はじめくんからの言葉を目に映した後に見た雨空は不思議と綺麗に見えた。

憧れが恋だと確信した。

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