第46話
46
〜あなたside〜
"ピッ…ピッ…"
聞き覚えのある音で目覚める
ここは、病室
まだ動くのは困難みたい…
だけど、すぐにでもグクと話したい
グクの顔を見たい
いつもなら目覚めたらグクがいるはずなのに…
いないなんておかしいな…
歩けないから何とか手を伸ばして隣のカーテンを開ける
"シャッ…"
もう少しでカーテンが開く
"シャッ…"
あれ、グク眠ってる…?
何かがおかしい
声を掛けても返事がない
それでもグクは目覚めない
その時私は気づいた
グクの机の上に私がドナーさんに向けて書いた手紙があることを
ってことは…
それに気づいた私はじっとしてられなくなって
体についてる管を取って点滴をひっかけるやつに乗せて、ベッドの手すりを掴みながらグクのベッドへ向かった
絶対取っちゃダメだけど、そんな事は言ってられなかった
おでこを触ってみる
うそだ…
これは…夢だよね…?
グクの手を握る
手術行く前はこの手で私を抱きしめてくれたじゃん…
この唇で私とキスをしたじゃん…!
ふと、机の上を見てみると目に入ったものがあった
"あなたへ"
そう書いてある手紙を見つけた