第8話

始まるなら、それは。〜新しい客C.2-1
71
2018/11/23 18:18
その日の晩。
ベッドに寝転がって。
ぽちぽちとケータイを眺めてた。

“閲覧用”に作ったSNSのアカウント。
専ら趣味のことや好きなことの情報とかを見るためだけにこっそり作った。

クラスでも、バリバリSNSやったりブログ書いてる子もいるけど……引っ込み思案な私は、“表向き”に自分のことを発信するのはどうにも苦手だった。

と言ってもお付き合いはあるから。“閲覧用”のアカウントとは別に“知り合いと繋がる用”のアカウントを作ってもいて。そっちでは知り合いとかクラスの時々話す程度の子とか何人かと繋がってる。専らそっちもほぼ呟いてはいないんだけど。

“閲覧用”のアカウントでタイムラインを眺める。
上から下へ。

次から次へと流れる情報ーー


「?」

メンション……。
ぽわり、と通知が浮かぶ。誰だろう?

unknown
@cosmicpop1121
知らないひと。
スパムかな……と思いながらその通知の先にある言葉を読むーー
unknown
初めまして。nana0920さん
はい…?突然飛んできた私宛のリプライの成り行きが飲み込めず、?マークを大量に浮かべたままその字面を追う。

ちなみにnana0920ってのはこのアカウントの私のID。
unknown
たまたま色々検索してたらnanaさんを見付けちゃって。フォローとか呟きとか少し見させて貰ったのですが趣味が似てたのでフォローさせて貰いました!
うん?新手のなんていうんだろう。出会いを求めてる人なのかな……そんなことを思いつつ。
unknown
これからよろしくお願いします(^^)
エミ
エミ
フォローありがとうございます。あんまり呟いてないですが(笑)こんなアカウントで良かったらよろしくお願いします✧*。
社交辞令。
っていうか、どこから私を見付けたんだろうこの人……

こんな私に興味を持ってくれてる妙な嬉しさ?と。
変な人だと分かったら即効ブロックしようーーなんていう2つの気持ちが錯綜して。

私は少しだけ空いたカーテンの隙間から見える夜空をぼんやり眺めながら。

そのまま。眠りに落ちていった。



そして、夢を見た。

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