第19話

始まるなら、それが。〜浪川くんの提案〜
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2018/12/10 17:42
(※)タイトルに入りきらなかったので。Chapter2-11になります。)


それから、時間にして3時間後。

駅員室での、簡単な事情聴取。

二人でパトカーに乗せられて。

警察署に移動してからの詳しい事情聴衆。

改めて犯人の確認ーーー



諸々の全てが終わった頃には、時計の針はすっかり12時を回ってしまっていたーー……





ブロロロロ…

エンジンの発信音と。排気ガスを小気味良く吹き出しながら、学校近くの駅前まで私達を運んだ覆面パトカーが走り去っていく。

(はー……やっと、解放された……)

「はは、やっと解放されたって、顔してる」

こっちを覗き混んで、が小さく笑った。

「……べ、別に……っていうか何で」

(わかるの?)

って訊こうと思ったけど。その続きは何だか言葉にならなくて。

「顔に出てる」

「へっ?!」

思わず間の抜けた声を出してしまう。

「さーこれからどうすっかねぇ」

私のアワアワした胸中も全然眼中になく。フワフワと頭の後ろで手を組んで。
なんていうか、めっちゃマイペース……

「な、浪川くん?は……どうするつもりなの… 」

警察署の中の。事情聴取の時にようやく知った彼の名字を口にする。

「あ。堅苦しいからいいよ、楓麻・・で」

「えっ?!」

「えっと。俺も下の名前で呼んでいい?っていうか、普段何て呼ばれてるの?」

いきなり過ぎるね、うん。
いや……別にそれほど嫌って、訳でもないけど。

でも何?ちょっと……いや大分?なんかライトっていうか、軽いっていうか……


「え……エミとか?」

「何それ普通」

「(……ピキッ)」


迷った挙げ句に捻りの聞いた回答も出来ず。
っていうか、エミとかエミちゃん以外に大した呼び名も無かった私は、普通も何も、これが最善で平凡な答え。


「……まぁいいや。じゃ、エミちゃん」

そこまで言って、彼の口元がニヤっとほどけた。

「午後の授業、サボっちゃわない?」

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