- 8月下旬 夏休みも終わりが近づいた頃
治:あなた
あなた:?どうしたの?
治:今日この後買い物付き合ってくれへん?
あなた:うん!いいよ!あたしも丁度テーピングとか補充しなきゃなって思ってた!
治:そか。一回帰って着替えるか?
あなた:そうしようかな!汗だくだし!
治:おん。したら迎えに行く( 笑って )
ピンポーン
あなた:お待たせ!
治:おん。行こか
( 微笑んで手を繋いで )
- 駅近のショッピングモールまで来て
あなた:治くんの買い物はもうおしまい?
治:おん。あなたは?
あなた:あたしももうおしまい!
治:そか……ほな帰……
子ども:( 治のズボンを摘んで )
治:……?なんや……?
あなた:……?
子ども:……まま……どこ………?
( 泣きそうな顔で治を見上げて )
治:はぁ……?
子ども:……ままぁ………ッ( 泣き出して )
治:え,ちょ………!
あなた:僕
( しゃがんで子どもに話し掛けて )
治:あなた……?
子ども:……?
あなた:ママとはぐれちゃったの?( 優しく微笑んで )
子ども:うん………ッ
あなた:自分のお名前言えるかな?( 微笑んで )
子ども:……うーとくん( 優斗くん )
あなた:優斗くん?かっこいいお名前だね!
子ども:……!
あなた:ママ,近くにいるかもしれないから一緒に探してみよっか?( 微笑んで )
子ども:……!うん……!( パアァと笑顔になって )
治:………!
あなた:中々見つからないね( 眉を下げて )
子ども:ままー?
治:…あなた,変わろか?
( ずっと抱っこしているあなたにそう聞いて )
あなた:あ,うん,ありがとう…!
子ども:やだー!( あなたから離れず )
あなた:……!
治:……姉ちゃん疲れてんねん。兄ちゃんとこおいでや
子ども:やだやだ!おねえちゃんがええ!
( しがみついて離れようとせず )
あなた:治くん,大丈夫!ありがとう( 微笑んで )
治:おん……
子ども:!かめんらいだー!!
あなた:優斗くん,仮面ライダー好きなの?
子ども:うん!おおきなったらなるん!!
あなた:そっか。きっとかっこいい仮面ライダーになれるね( 微笑んで )
子ども:おん!おねえちゃんのことまもる!!
あなた:ありがとう( 微笑んで )
治:………( 二人を隣で眺めていて )
母親:優斗…!!
子ども:!ままー!!
あなた:……!!
母親:すみませんうちの子がご迷惑を…!
あなた:いえ,全然大丈夫ですよ!( 微笑んで )
子ども:ままッ!( 抱き着いて )
母親:もうはぐれたらあかんで?( 微笑んで )
子ども:うん!!
あなた:………( 眉を下げて微笑んで )
治:……?
母親:ほんまにありがとうございました…!!
子ども:おねえちゃん,おにいちゃんばいばい!!
あなた:ばいばい( 微笑んで手を振り )
治:……
( 親子が行ってしまえば彩華の手を握り )
あなた:……?治くん…?
治:……寂しかったんやろ
あなた:え……?
治:……昔のこと,思い出したんやろ
あなた:……!流石だね( 眉を下げて微笑んで )
治:……ええやん。これから作れば
あなた:え……?
治:……結婚して,子ども産んで……俺らで幸せな家庭作ってこうや( 優しく微笑んで )
あなた:………!!うん……!!( 嬉しそうに微笑んで )
治:あー…俺も寂しかったんやけど
あなた:え?
治:あなたちぃともかまってくれへんから寂しかった
( 後ろから抱き着いて )
あなた:……!もう……( 笑って )
治:……子ども好きなん?
あなた:うん,大好き!
治:そうなんや。したらええママさんになれるな
あなた:へ……?
治:……ええ奥さんになるんやろな( 微笑んで )
あなた:……!が,頑張ります……( 頬を赤くして )
治:……( ほんま可愛ええな )
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!