第12話

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2020/05/20 11:00







- 6月上旬 午後練終わり




あなた:あ……雨……



( ボトルを洗いながら降り出した雨空を見上げて )



侑:あちゃー…降り出したなぁ



銀島:今日降る言うてたっけ?



角名:いや,言ってなかったと思う



あなた:……



( どうしよう……と見上げていて )



治:あなた,傘あるか?



あなた:…!ううん,置いてきちゃった……



治:ほんなら折り畳み入りぃ



あなた:え?いいの…?



角名:てか持ってきてるんだ



治:母さんが折り畳みは持っとけうるさいねん



侑:だから傘は常に持ってるで



角名:なんか意外



治:……あなたが忘れてもええようにな( 微笑んで )



あなた:……!ありがとう( 微笑んで )














- 帰り道




治:ほな,帰ろか



あなた:うん…!お邪魔します!




( 小さい傘の中に入り込んで )




治:濡れとらん?平気か?



あなた:うん,大丈夫だよ…!



治:そか( 微笑んで )




( 話しながら歩いていると自然とあなたが離れていて )




治:もっと寄らんと濡れるで?



あなた:で,でも治くんが濡れちゃうよ…!



治:俺は平気や。風邪ひいたらあかんのはあなたやろ



あなた:でも……



治:ほら,もっとこっち寄りぃ




( 肩をグッと自分の方に寄せて )




あなた:……!



( 頬を染めて見上げて )



治:……!そんな顔で見んなや……



( 照れた顔を隠し )



あなた:……!ご,ごめんね……!



治:あー…ほら,肩濡れとる



あなた:平気だよこのくらい( 微笑んで )



治:あかん。ちょっと持っとき




( 傘を持たせれば鞄を漁り )




あなた:……?



治:ん,これ着とき



( ジャージを取り出せばあなたの肩に掛けて )



あなた:え…!?本当に大丈夫だよ…!



治:俺の気が済まんのや……着といてくれん?



あなた:……ん,ありがとう( 微笑んで )



治:……愛しとる彼女の為やからな( 微笑んで )



あなた:え…?



治:( そっと唇を重ねて )



あなた:……!



治:……好きやで( 微笑んで )









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