第4話

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2020/05/19 08:00







- 翌朝




あなた:………( ゆっくりと瞼を開けて )



( ………此処は……何処………? )



治:……



( ベッドの横にある椅子に座り手を握ったまま眠っていて )



あなた:……!



( 治くん……? )





ガラッ





侑:……あ



あなた:……!侑くん………?



侑:….…目,覚めたんやな



( 微笑む顔は何処か悲しそうで )



あなた:うん……此処は……?



治:ん………



( 目を擦り起きて )



あなた:……!



治:………!あなた……ッ!!



あなた:……ごめんね,心配掛けて( 眉を下げて微笑んで )



治:ッ………



( 此方も悲しそうな顔であなたを見て )



あなた:……?どうしたの……?



( 治の頬に触れて )



侑:………



治:ッ………



あなた:……ねぇ……2人とも…何でそんな顔してるの……?




























- 暫くし院内に居た兄も駆け付け
医者も病室に来れば昨日話した事を本人に告げ






あなた:………



( だからみんな……そんな顔してるの……? )



医者:……この1年,病院にいるか普通の生活を送るかはあなたさんに任せるよ



あなた:……あたしは……普通の生活を送ります



双子:……!



兄:……



あなた:……発作で危ないのはわかってます。でも……どうせ日常生活が送れなくなってしまうなら……高校生活最後の1年,成る可く皆と過ごしたいです( 微笑んで )



治:あなた………



医者:……わかった。しかしその為にはみんなの協力が必要だ



あなた:協力……?



医者:まずいつ発作が起こっても直ぐに対応が出来るように成る可く1人にならない事



あなた:で,でもあたし……一人暮らしですよ……?



兄:……俺が兵庫( コッチ )の大学に移る



あなた:え……!?



兄:……あなたはきっとそう言うだろうと思ってたから,教授に相談して移れる大学を見つけといた( 微笑んで )



あなた:……!お兄ちゃん……



医者:家ではお兄さんがいるとして……学校ではまぁ1人になることは少ないと思うが…ならないように見て欲しい



治:……絶対にしません



あなた:え……?



侑:24時間監視したるで



治:ツム,それはちゃう



医者:……後,あなたさんの親しい友達や部員,学校の先生には事情を説明して理解をしてもらうこと



侑:部員には俺らから説明します



兄:学校には今日俺が言いに行きます



治:……斎藤達には……話せるか?



あなた:……うん



治:俺も隣にいたるから( 微笑んで )



あなた:…!ありがとう( 微笑んで )



医者:……昨日言った通り成る可く発作を起こさせるような状況を作らないこと。それが1番の予防策だ



治:……はい



医者:……万が一発作が起きた場合は早急に救急車を呼ぶこと,いいね



治:……わかりました



医者:発作にも重さがある。息切れのような軽いものから……呼吸が止まる重いものまである



侑:………



医者:……軽めのものは落ち着かせれば落ち着くようなものではあるとは思うがその日の体調はきっと優れない。気を付けて見てあげてくれ



治:わかりました



医者:発作の頻度が高くなると共に……あなたさんの命は削られてると思ってくれ



あなた:ッ……!



兄:……何かあったら,連絡します



医者:頼んだよ













- 兄は学校に説明をしに行き
侑は部員に説明する為に学校へ行っていて




あなた:………



( 空を見上げて )



治:………



あなた:……入院にした方が良かったかな……



治:んな訳ないやろ



あなた:え?



治:どうせ" 皆に迷惑掛けるから "とか思っとるんやろ



あなた:………



治:……言ったで。迷惑くらい掛ければええって



あなた:え……



治:……あなたのことが心配やない訳やない



あなた:……



治:……寧ろ死ぬ程心配しとる



あなた:え……?



治:……今度こそ……本当にあなたを失ってまうんやないかって……死ぬ程不安やし心配しとる



あなた:……



治:……でも1番怖いのはあなたやから



あなた:え……?



治:……混乱してて出しとらんのか…それとも強がって出しとらんのかはわからんけど……いきなりこんなことになって…いつ死ぬかわからないって……1番怖いのはあなた自身やと思うねん



あなた:……!



治:……医者は後1年なら通常の暮らしをしてもええって言ってくれた



あなた:……



治:…勿論悪化すれば1年もたんかもしれんしそれがいつ終わるかなんて誰にもわからん



あなた:……



治:……でも,今一緒に過ごせるなら少しでも多くの時間をあなたと過ごしたい



あなた:え……?



治:迷惑やなんて思わんし,例えそれが俺にとって大変なことであったとしても,それであなたと一緒に過ごせるなら俺は何でもする



あなた:……!



治:これは俺だけやない。わざわざ大学を移動してくれた兄さんやって……ツムやって……角名やって銀やって……部員全員同じ気持ちや



あなた:……ッ



治:……斎藤達やって……きっとそうやろ



あなた:ッ……



治:…せやから迷惑とか気にせんでええ。この1年,あなたに少しでも楽しんで貰えるように俺らは協力する



あなた:……!



治:……それだけ皆,あなたの事が好きなんやで( 微笑んで )



あなた:ッ……ありがとう( 微笑んで )





























治:( 侑と連絡を取るために1度病室を出て,戻ってきて )



( 部屋の前に着けばすすり泣きが聞こえて )



治:……?



( 扉を少し開ければあなたは1人で泣いていて )



あなた:ッ………



治:………




( 扉を閉めれば壁に寄りかかり窓から空を見て )



























- あなた,大丈夫やで
































俺が最後まで
































お前を守ったる













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