翌日 合宿最終日の練習が終わり
- 病院
コンコンッ
( ノックをするも返事は無く )
治:……?
侑:……まだ目覚めてへんのかな……?
ガラッ
あなた:……!
治:……!あなた……!
侑:目ぇ覚めとったんやな
あなた:………( 眉を下げて微笑んで )
侑:……?あなた……どないした……?
あなた:ッ……
( 酸素マスク越しに呼吸をするあなたは少し苦しそうで )
治:……話せへんのやな
あなた:………!
治:……発作が重かったから……まだ呼吸が安定しとらんのや
侑:ッ………!
治:……ほんまにすまんかった
あなた:………?
治:……俺の嫉妬で……あなたの命を奪うところだった
あなた:……!
治:……ほんまにすまん……ッ
あなた:……
( そっと治の手を握り )
治:……!あなた……?
あなた:( 大丈夫だよ,と首を小さく振り微笑んで )
治:………ありがとな( 眉を下げて微笑み頭を撫で )
侑:皆も心配しとったで。はよ元気になりぃ
あなた:( コクンッと頷いて )
侑:……ほな,帰ろうや治
あなた:( 合宿で疲れているだろうし早く帰って休んで欲しいという意味も込めて微笑みながら手を離そうとし )
治:嫌や
( ギュッとあなたの手を握り直し )
侑:え?
あなた:……?
治:……まだ此処におる
あなた:……!
侑:アホ,お前は子どもか。あなたはまだ本調子やないんやから…
治:だからこそ傍に居たいんや
あなた:………!
治:……大切な人が苦しい時こそ……傍に居たいんや
侑:……わかったわ。ほな先帰るで
治:おん
侑:ほなあなた,また明日来るからな
あなた:( 微笑みながらコクッと頷いて見送り )
治:……迷惑やったか?
あなた:……!
( フルフルと首を横に振り )
治:……そか,よかった( 微笑んで )
あなた:( 嬉しそうに微笑んで )
治:……あなたが角名からキスされたって聞いた時……ツムがキスしたって時よりも凄い焦ったんや
あなた:……?
治:……取られてまう気がしたんや
あなた:……!
治:……何でかはようわからんけどな。それで焦って一方的に感情的になってそれをあなたにぶつけてしもうた
あなた:………
治:……情けない彼氏やな
あなた:ッ( フルフルと首を横に振り )
治:……ありがとな
( 眉を下げて微笑んで頭を撫で )
あなた:……( 眉を下げて )
治:……でも思ったんや
あなた:……?
治:取られる以前に俺がもっと頑張れってな
あなた:……!
治:……誰も手を出そうと思えなくなるくらい,俺があなたを愛せばええ話やってな( 微笑んで )
あなた:……( 嬉しそうに微笑んで )
治:せやからはよ元気になりぃ。自分おらんと調子出んねんほんまに
あなた:( コクッと頷いて )
治:……好きやで
( 額にキスをして )
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!