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2021/11/30

第49話

第48話「トラブルは止まらない」
須藤 春樹
須藤 春樹
小田原……
須藤 春樹
須藤 春樹
ちょっと、時間ある?
小田原 キララ
小田原 キララ
あるには、あるけど……
 須藤くんとは、今朝、話をしたばかり。千春ちゃんもいないのに、なんの用だろう。
男子生徒
男子生徒
須藤って、よく小田原と話してるよな?
男子生徒
男子生徒
付き合ってたりして
女子生徒
女子生徒
ちょっと、男子! そんなわけないでしょ!?
 教室で話しかけられたせいか、クラスメイト達にウワサされてしまった。

 須藤くんは、人気者だから。あたしなんかと話すのは、不自然なんだろう。
須藤 春樹
須藤 春樹
えっと……
須藤 春樹
須藤 春樹
ここじゃあ、ゆっくり話せないから……
小田原 キララ
小田原 キララ
あ、うん
小田原 キララ
小田原 キララ
(大変そうだな)
小田原 キララ
小田原 キララ
(人気者は)
「おい、お前ら! 冷やかすなよ」

 そう言ってクラスメイト達と楽しそうに笑う須藤くんは、あたしとは別の世界を生きているように見えた。
小田原 キララ
小田原 キララ
(なんで、あたしなんかに構ってくれるんだろう?)
小田原 キララ
小田原 キララ
(須藤くんは)
 これも、委員長の仕事なんだろうか。今まで友達付き合いをしたことが無かったからか、人との距離感がうまく掴めない。須藤くんとの間に、見えない壁のようなものを感じる。

 母が帰ってくると聞いたせいで、気持ちがナーバスになっているんだろうか。それとも、千春ちゃんとのすれ違いが尾を引いているんだろうか。

 そのどちらかも知れないし、どちらでもないのかも知れない。

 無条件な優しさは、あたしの感情をかき乱した。

小田原 キララ
小田原 キララ
……こんな所に呼び出して
小田原 キララ
小田原 キララ
話って、なに?
 須藤くんなら、千春ちゃんとケンカすることも無かったはず。

 須藤くんなら、千春ちゃんの気持ちを理解できたはず。

 かき乱された感情は、自分への怒りになり、モヤモヤした感情を須藤くんへと向けてしまった。

 こういう所が、人から嫌われる原因のひとつなんだろう。そんな、自己分析しながら。
須藤 春樹
須藤 春樹
劇のことなんだけ
須藤 春樹
須藤 春樹
その……言ってなかったことがある
小田原 キララ
小田原 キララ
言ってなかったことって?
須藤 春樹
須藤 春樹
実は、その……
 須藤くんが言いにくそうに、顔をしかめた。彼ほどの人が言いづらいこととは、一体なんだろう?

 あたしはだんまりを決め、須藤くんの言葉を待った。
須藤 春樹
須藤 春樹
去年は、桜木だったんだ
須藤 春樹
須藤 春樹
桜木が、劇の主役だった
小田原 キララ
小田原 キララ
千春ちゃんが?
小田原 キララ
小田原 キララ
(うそ……!)
小田原 キララ
小田原 キララ
(千春ちゃん、そんなこと言わなかった……)
須藤 春樹
須藤 春樹
でも、全然人が見にこなくて
須藤 春樹
須藤 春樹
正直、桜木のイメージとは合わなかったし。まあそれは、仕方ないんだけど……
小田原 キララ
小田原 キララ
(それって……)
小田原 キララ
小田原 キララ
……だから、あたしなの?
須藤 春樹
須藤 春樹
そう!
須藤 春樹
須藤 春樹
小田原はイメージにピッタリって言うか、むしろ小田原しかいないって──
小田原 キララ
小田原 キララ
やっぱり……
 違うって、信じてたのに。
須藤 春樹
須藤 春樹
え?
小田原 キララ
小田原 キララ
有名人の、娘だから?
 須藤くんは違うって、信じてたのに。
須藤 春樹
須藤 春樹
や、違っ!
小田原 キララ
小田原 キララ
あたしが、エミリージョーンズの娘だから!?
須藤 春樹
須藤 春樹
違うって!
小田原 キララ
小田原 キララ
うそっ!!
小田原 キララ
小田原 キララ
じゃあ、なんであたしなの?
小田原 キララ
小田原 キララ
どうして……千春ちゃんじゃないの?
小田原 キララ
小田原 キララ
どうして、千春ちゃんのことを話してくれなかったの?
須藤 春樹
須藤 春樹
それは、その……
小田原 キララ
小田原 キララ
話してくれたら、あたし……

『聞いていたら、あきらめた?』
小田原 キララ
小田原 キララ
(もし知っていたら、あたし……どうしてたかな?)

『千春ちゃんの態度は、あきらかに変だった』
小田原 キララ
小田原 キララ
(そうだ……)
小田原 キララ
小田原 キララ
(あたし、本当はどこかで気づいていた)
小田原 キララ
小田原 キララ
(それでも……)
小田原 キララ
小田原 キララ
(演じるということに、魅力を感じてしまった)
小田原 キララ
小田原 キララ
(母が、あたしを捨ててまで選んだ道が、どんなものなのか。あたしは、知りたいと思ってた)
小田原 キララ
小田原 キララ
(あたしが、選んだ……)
小田原 キララ
小田原 キララ
(あたしが、千春ちゃんを傷つけた……!)
須藤 春樹
須藤 春樹
ごめん! 小田原
須藤 春樹
須藤 春樹
桜木には、ちゃんと説明するから
小田原 キララ
小田原 キララ
もう……
小田原 キララ
小田原 キララ
……遅いよ……
 千春ちゃんに、なんて謝ればいいの?

 千春ちゃんと、もっと仲良くなりたい。千春ちゃんのことをもっと知りたい。その気持ちに嘘はないのに。
小田原 キララ
小田原 キララ
(演劇にも、興味をもってしまう……)
小田原 キララ
小田原 キララ
どうしよう……
小田原 キララ
小田原 キララ
もうすぐ、お母さんが帰ってくるのに……
小田原 キララ
小田原 キララ
こんなあたしじゃ、嫌われちゃう……
須藤 春樹
須藤 春樹
え? 小田原のお母さんって……
 初めての友達とのトラブル。そして、演劇への憧れ。あたしは頭がいっぱいになった。

 だから、自分の口から出た言葉がどんな意味を持っているのか。想像すらしなかった。