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2021/11/16

第47話

第46話「優しい言葉」
須藤 春樹
須藤 春樹
本当に、引き受けてくれるの?
小田原 キララ
小田原 キララ
うん!
須藤 春樹
須藤 春樹
……よ
小田原 キララ
小田原 キララ
……よ?
小田原 キララ
小田原 キララ
(須藤くん、ちょっと震えてるような……)
小田原 キララ
小田原 キララ
(もしかして、返事が遅いって、怒ってる!?)
須藤 春樹
須藤 春樹
よっしゃー!
須藤 春樹
須藤 春樹
これで理想通りの劇が完成する!
須藤 春樹
須藤 春樹
サンキュー、小田原
小田原 キララ
小田原 キララ
う、うん……
小田原 キララ
小田原 キララ
(び、びっくりした。てっきり、怒ってるのかと思った……)
須藤 春樹
須藤 春樹
役者も決まったし、これで安心してサッカーに打ち込めるよ!
須藤 春樹
須藤 春樹
いや、手伝いもあるからな。他にも色々、準備があるし……
須藤 春樹
須藤 春樹
せっかく理想通りに再現できるんだから……
 須藤くんは目の前にあたしが居ることも忘れて、悩んでいる。安心したのか、気苦労が増えたのか……。
小田原 キララ
小田原 キララ
(でも、理想通りって、どういう意味だろう?)
 今まで、人とは違う外見で苦労してきた。見知らぬ人には英語で話しかけられ、見知った人には髪の色や肌の色で嫌なことを言われてきた。

「規則だから」と確認を要求される頭髪検査に、なんど悔しさをかみ殺したことだろう……。
小田原 キララ
小田原 キララ
(でも、それを確認するのは……)
小田原 キララ
小田原 キララ
……
小田原 キララ
小田原 キララ
(やっぱり、怖い……)
須藤 春樹
須藤 春樹
どうした?
須藤 春樹
須藤 春樹
今更「辞める」とか、なしだからな?
 須藤くんがニカッと、歯を見せて笑う。その明るい表情に、そんなことを考えてばいけないと思い直す。
小田原 キララ
小田原 キララ
う、うん。大丈夫!
小田原 キララ
小田原 キララ
えっと……台本できたら、教えて
 誤魔化すようにそう告げて、あたしは教室へと向かった。
小田原 キララ
小田原 キララ
(千春ちゃんにも話さないと……)
小田原 キララ
小田原 キララ
(でも、どんな風に話せばいいのかな?)
 千春ちゃんがあたしに抱いているイメージは、ハキハキと自分の意見を言える人だろう。

 だけど、本当のあたしは……。
小田原 キララ
小田原 キララ
(なんで、こんなに、ウジウジしてるんだろう……)
 変わりたいと、願うのに。

 変わろうと、思うのに。

 何ひとつ変われない自分が、教室へ向かう足を重くさせる。
小田原 キララ
小田原 キララ
(なんで簡単に、引き受けちゃったんだろう?)
小田原 キララ
小田原 キララ
(ちゃんと相談すれば、よかったな……)
 教室の前までたどり着いて、ふらりと壁に身を寄せる。

 でも、お父さんも居ないこの状況で、一体誰に相談すればよかったんだろう……?

 そう考えた時、教室の扉がガラリと開いた。
桜木 千春
桜木 千春
どうしたの、キララちゃん……
桜木 千春
桜木 千春
顔色悪いよ?
小田原 キララ
小田原 キララ
千春ちゃん……!
小田原 キララ
小田原 キララ
どうしよう。あたし……
桜木 千春
桜木 千春
どうしたの?
小田原 キララ
小田原 キララ
劇に、出るって言っちゃった……
桜木 千春
桜木 千春
……え?
 少しの間を置いて、千春ちゃんの表情が強ばる。

 相談もなしに決めてしまったことを咎められる気がして、あたしは急に怖くなった。
桜木 千春
桜木 千春
あ、そっか……
桜木 千春
桜木 千春
文化祭の演劇、だよね?
小田原 キララ
小田原 キララ
うん
小田原 キララ
小田原 キララ
ごめんね? 千春ちゃんに相談もしないで、勝手に決めちゃって……
桜木 千春
桜木 千春
あ、ううん! いいの!
桜木 千春
桜木 千春
全然、気にしないから
桜木 千春
桜木 千春
でも、そっか。……そっかぁ。やっぱり劇の配役、キララちゃんに決まったんだ
小田原 キララ
小田原 キララ
う、うん
小田原 キララ
小田原 キララ
(どうしたんだろ? 千春ちゃんの顔、ますます強ばってるような気が……)
桜木 千春
桜木 千春
大丈夫。私、応援するから!
桜木 千春
桜木 千春
きっとできるよ! キララちゃんなら
小田原 キララ
小田原 キララ
千春ちゃん……
桜木 千春
桜木 千春
なんと言っても、大女優エミリージョーンズの娘だからね!
桜木 千春
桜木 千春
キララちゃんは
小田原 キララ
小田原 キララ
ちょっと、それ! プレッシャーだよー
桜木 千春
桜木 千春
ごめん、ごめん!
小田原 キララ
小田原 キララ
でも、千春ちゃんのおかげで元気でた
小田原 キララ
小田原 キララ
ありがとう
桜木 千春
桜木 千春
キララちゃん……
 ああ、ちゃんと友達になれたんたんだな、なんて。世間知らずのあたしは思っていた。
桜木 千春
桜木 千春
本当は、私が──
小田原 キララ
小田原 キララ
どうかした?
桜木 千春
桜木 千春
ううん! なんでもない……
 千春ちゃんが笑顔の裏に、どんな悲しみを秘めているか想像すらせずに。

 あたしは、ただ単純に、千春ちゃんの優しい言葉うそを鵜呑みにした。