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2021/11/09

第46話

第45話「あたしは変わりたい」
小田原 キララ
小田原 キララ
(まだ、ドキドキしてる)
 夏目さんに触れられた頭が熱い。夏目さんの手を、独り占めしてしまいたいと思った。

 ただの生徒でも、いいから。

 夏目さんの優しさに、甘えていたい……。
小田原 キララ
小田原 キララ
(でも!)
小田原 キララ
小田原 キララ
(あたしは、変わりたい!)
 夏目さんの負担にならずに、彼を思い続けていたい。芽生えたばかりの感情を、大切に育てていきたい。

 そのためには、あたしが変わるしかない。あたしが「変わるため」には、挑戦しないといけないことがある。

 それは、苦手を克服すること。そして、母を……許すこと。
小田原 キララ
小田原 キララ
……
小田原 キララ
小田原 キララ
明日、須藤くんに返事しないと
小田原 キララ
小田原 キララ
文化祭の、劇について
 自分が「演じること」を前向きに考える日が来るなんて。この学校に転校するまでは、考えたこともなかった。

 正直、不安しかない。今まで以上に、母と比べられてしまうかもしれない。
小田原 キララ
小田原 キララ
(怖い……)
小田原 キララ
小田原 キララ
(母と比べられるなんて……)
 本当は、すごく怖い。考えただけで、足もとが震える。それでも、変わるためには向き合わないといけない。

 それに、心のどこかで、ずっと思ってきた。母があたしを捨ててまで選んだ女優という仕事、演じるということ。そこに、どんな魅力があるのか……。

 あたしはずっと、それを知りたかった。


 次の日、学校へ向かうと、校門の手前で須藤くんに会った。
小田原 キララ
小田原 キララ
(須藤くんだ)
須藤 春樹
須藤 春樹
おはよう
小田原 キララ
小田原 キララ
おはよう
須藤 春樹
須藤 春樹
あの事、考えてくれた?
小田原 キララ
小田原 キララ
うん
小田原 キララ
小田原 キララ
ちゃんと考えたよ
 教室に入る前に、須藤くんと会えて良かった。

 できれば、他の人には聞かれたくない。たとえ、あとから知られるとしても。この決意が揺らいでしまう気がして、怖かった。
小田原 キララ
小田原 キララ
ちょっと、話せないかな?
小田原 キララ
小田原 キララ
人の、いない所で
小田原 キララ
小田原 キララ
(須藤くんは人気者だから)
小田原 キララ
小田原 キララ
(人が多い所だと、すぐに囲まれちゃうんだよね……)
須藤 春樹
須藤 春樹
ああ、いいよ
 あたしは須藤くんを連れて、中庭へと向かった。校舎に向かう道から外れた時、千春ちゃんの姿が見えた。
小田原 キララ
小田原 キララ
(千春ちゃんだ)
小田原 キララ
小田原 キララ
(まだ劇のこと相談できてないけど……)
小田原 キララ
小田原 キララ
(あとで話せば、いいよね?)
 千春ちゃんが好きなのは、黒岩先生。だから、あたしが須藤くんと文化祭の劇について話していても、千春ちゃんは気にしないだろう。そう考えた。

 千春ちゃんとは友達になったばかりで、彼女の悩みや考えていることを、まだ知らないのに。

「友達」という響きに、あたしは甘えていた。

須藤 春樹
須藤 春樹
で、どうする?
 中庭に着くなり、須藤くんは聞いてきた。
小田原 キララ
小田原 キララ
ちょ、ちょっと待ってよ!
 あたしは周りに人が居ないことを確認すると、ゆっくりと息を吸った。

 そして胸の前で手を組み、ありったけの勇気を振り絞り、叫ぶように答える。
小田原 キララ
小田原 キララ
あたし、演劇に参加したい!
小田原 キララ
小田原 キララ
知りたいの! 演じることが、どんな事なのか
小田原 キララ
小田原 キララ
どうしても、知りたいの
 女優の娘エミリージョーンズの娘がそんなことを言うのは変かもしれない。それでもあたしは、思ったことを伝えることに決めた。

 今までみたいに、気持ちを押し殺すのは嫌。あたしはちゃんと成長して、変わりたい。

 過去なんか、思い出せなくなるくらいに。