第16話

子供...いるかもしれない.. No.2
101
2018/06/25 21:39
〔沙夜の家〕

アンナ)「グスッ...ズビッ..(鼻をすする)」

キヨ)「さぁ、どうぞ。お茶よ」

アンナ)「す、すみません」

キヨ)「いいのよ」

アンナ)「さ...沙夜は?」

キヨ)「んー?ハンバーグ作りたいからってあわてて宿題やってるわ」

アンナ)「そっかぁ...」
お茶をすする

キヨ)「フフフ、なんだか懐かしいわ」

アンナ)「え?」

キヨ)「あなたぐらいの女の子ち話す機会なんて...マキがいなくなってからは無くなってしまったから...」

アンナ)「....マキって死んじゃった、沙夜のママ?」

キヨ)「ええ...」

アンナ)「...そうなんだ...」

アンナ)「こ...」

キヨ)「え?」

アンナ)「子どもができたって聞いたとき、おばさん怒りました?
一人で産んだんでしょ?」


少し焦った様子だ

キヨ)「! え?」

キヨ)「あらやだ。沙夜ちゃんそんなことまで話してしまったの?」

少し戸惑った様子だったが続けた

キヨ)「...そうなの。昔から気が強くておてんばで...。ある日突然、一人で子どもを産むって聞かされたかと思ったら、あっという間に留学してしまったの」

キヨ)「親なのに...ろくに相談してもらえなかったの。
私なんかいなくてもいいみたい...


寂しいでしょ?」

そんなこと言いながら笑っていた
ひきつった顔で。

アンナ)「.......」

アンナ)「..言えないよ」

キヨ)「え?」




アンナ)「親だから話せないんだよ。本気で自分のこと考えてくれるのって、結局親だけって知ってるよ」

アンナ)「甘えてわがままになるときもあるけど、本当は誰よりも幻滅させたくない..」

アンナ)「あたしってね、英語全然できないんです。受験って、どれ選択しても英語って必要じゃないですか」

アンナ)「レベルの低い学校の推薦枠しかもらえそうになくて...
担任はため息ついてたし、頭いい子は、そんな推薦要らねーって笑ってた」

アンナ)「あたし、なんだかもう嫌になっちゃって、進学するのやめよーと思ってたんだけど、..父さんたちは行ける学校あるだけマシだって喜んでた」


〔回想〕

信雄)「いやー、俺の頭に似なくて良かったなぁ」

マサ子)「あんたはバカすぎるもんねぇ」
[大笑い]


〔現在〕

アンナ)「馬鹿みたいに笑ってるから、だったら受験しよっかってなって」

アンナ)「カレシのシローはね、機械なんとかってめんどーな専門行ったんだけど、今年やっと就職決まったの」

キヨ)「そう、良かったわね」

アンナ)「.......グスッ」

また、涙が溢れるアンナ

キヨ)「あ、、あらあら...?どうしたのかしら??」

アンナ)「だ...だからアタシ、困るもん..
突然こんなこと...」







アンナ)「どうしたらいいか分からないの」

アンナ)「だったら全部、なしにしようって」





お腹を押さえる














アンナ)「あたし...いるかもしれない



子ども.......」







〔沙夜〕

宿題していた沙夜 わからないところがあった

沙夜)「うー..ん、分からないや」

キヨがいるところに向かう

沙夜)「バーバ...ここ.....」

声が聞こえてきた








アンナ)「あたしいらない、
子どもなんて...........」


沙夜は立ち止まった


アンナ)「一人でなんて産みたくない
怖いよ...。
ムリだもん.....」








アンナ)「どうしよう...あたし..どうしよう....」

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