第21話

特別な人に....NO.1
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2018/06/30 11:10
〔吉田食堂   カンナの家〕

バチンッ

アンナは、信雄からのビンタの衝撃でおもわず倒れた

瞬〕「あ...あの出来ればもう少し冷静に...」

その場には瞬、シロー、マサ子、カンナがいた。

マサ子はカンナの目を隠す

信雄「怒鳴ってやんなきゃわからねーんだよこいつは...っ!
こんな大事なこと隠してやがって..」

シロー)「す...すみません、俺のせいです」

シロー)「すみませんッッ!!!!」

信雄)「~~~~!」

信雄は、他人には怒る気はなかった。
ただ、アンナが.....

それがたまらなく悲しかった

信雄)「た...他人は黙ってろ。さっさと帰れっ」

ふんっとそっぽ向く

アンナ)「そんな言い方しないでよ!」

アンナ)「父さんが不愉快になると思ったから言えなかったんでしょ
バカなことしたって自分でちゃんとわかってる!
だ...だから..だから別に産みたいなんて言ってないじゃん...っ」

信雄は大きく目を見開いた

呼吸が荒くなっている

アンナ)「とりあえず明日まで待ってよ
検査に行ったらきちんと、全部無かったことにしてくるから....っ」

アンナ)「だから...だからもう怒らないでよ!!!!」

ビュッ!!!!
信雄がまた、手を振り上げる

アンナはまた、殴られるかと思い、おもわず目をつむる

アンナ)「!!


........................?」

なにもしてこない。

そっと目を開いた

信雄は手を挙げたまんまだ。

だけどその目はアンナを見ていなかった

信雄)「......ってねぇ」

アンナ)「え?」

信雄)「分かってねぇって言ってんだ..っ!」

アンナは、予想外の言葉に驚き父の顔を見て

驚いた

信雄)「....
お前...よくそんな酷い事を...」

信雄)「な..何を分かっているんだがしらねぇーが












お前は何にも分かっちゃいねーよ....」









その目には涙があった


少し冷静になった信雄

信雄)「ちょっと出てくる」
ガラガラ....ピシャッ(開閉音)

マサ子)「ちよっと...お父さん..」

アンナ)「――――――――.....」

黙ってドアを見続けるアンナを気にして
シローが声をかけた

シロー)「あのさ...アンナ..」

アンナ)「...ね、ねぇ
今父さんの顔見た....?」

シロー)「え...」

アンナ)「な、なんか....
泣いてたかも...父さん」

アンナ)「あ...あたし..
父さんが泣いてるところ初めて見た...」

涙が出てきた

信じられないような目で自分の手を見る

その手を口に当てながら

アンナ)「ど...どうしよう....




あたしお父さん泣かしちゃったかも...」

シロー)「....」

アンナ)「これでも一生懸命一番いい方法
考えたつもりだったのに...」


アンナ)「どうしよう.....













もう....もうやだ...」

泣き崩れた









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