第6話

結婚してくれませんか?
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2018/06/25 13:31
[瞬の会社]

瞬の同僚達(女性)が雑誌を見ながら騒いでいる

三島)「お!見てみて!」

田口)「なに?」

三島)「モデルの内田ミナミ、結婚だってー!」

田口)「へー」

三島)「ふーん...。プロポーズの言葉、
[結婚してくれませんか?]
だって。」

三島)「案外地味なのね。私だったら、もっとこだわってほしいけど...」

山田(男))「(ボソッ)不細工が偉そうによく言うぜ。言われたこともねーくせに...」

ピキッ....💢

三島)「うるさいわね!!!あんただってどうせ言ったことないんでしょ!!!」

山田)「忙しいときに耳障りなんだよ!!!」

ギャアギャアギャア(二人が騒ぐ)ギャアギャア!!!

瞬)「..........ぼ、僕屋上で昼飯食べてきます」

瞬)「フー....」




ー 三島の話の回想 ー
(結婚してくれませんか?だって...)


瞬は、じっと空を見つめた。


プップップップップルルルルルプルルルルル[電話]

瞬)「あ、お義母さんですか?笹間(瞬の名字)です。今、お電話大丈夫でしたか?」




瞬)「…ーーえぇ、昨夜、沙夜ちゃんと話し合ったんですがやはり、オレンジ色のランドセルにしようかと..」

マキの母 キヨ)『わかったわ。早速、予約を入れておくわね』

瞬)「よろしくお願いします」

キヨ)『でも、早いものね。沙夜ちゃんが小学生になるのねぇ』

瞬)「ハハッ..そうですね」

キヨ)『ね、、、ねぇ笹間さん..』

瞬)「はい?」

キヨ)『親の私がこんなこと言うのもどうかと思うのだけど...』

『マキが亡くなって、もう一年も経つわ..』

静かなトーンで言った

キヨ)『そろそろ、ご自分の幸せをお考えになってね.....』


モグモグ(ご飯を食べる)モグモグ..

瞬は、ベンチにゴロンと寝転がり、ご飯を食べる

ボー、と空を見ていると、飛行機が見えた。


ー 回想 ー
マキ)「何で瞬くんが空港にいるのよ!」

瞬)「何でって..マキさんの留学の見送りです」

マキ)「ちっがうっ!!!!」

マキ)「瞬くん!今日は大学の二次面接でしょっ!」

瞬)「あぁ、行ったことは行ったんですけど.....」

瞬)「僕の番ちっとも来ないから来てしまいました..」

マキ)「~~~~~~~~~!」

マキ)「ばっかじゃないの!!!!」

瞬)「!」

マキ)「今からでも間に合うかもしれない!タクシーに乗っていきなさい!」

瞬)「だ、、大丈夫ですよ!まだ、第一志望校残ってますから...」

マキ)「そこ落ちたらどうすんの!?
瞬くんは、世の中甘く見すぎてる!!」

瞬)「は....はい」

マキ)「まったくもう!しっかりしてそうで抜けてるんだから...
えぇーと、タクシー乗り場タクシー乗り場」

自分のために必死になってくれてる、マキのその横顔を見た。

とてもキレイだ....



瞬)「あ、あの...マキさん...」

マキ)「ん~?」













瞬)「僕と結婚してくれませんか?」

こっちを見た

マキ)「.....」

瞬)「い、いや、もし、向こうで就職しなかったらというか..か、彼氏も見つからなかったらというか..」

いまさら照れた。


真顔だったマキが急に笑い出した

マキ)「フッハハハ!!高校生がなにいってんの?瞬くんテレビの見すぎじゃないの?」

瞬)「!! いや、でも!あの..」

マキ)「やだよ。先のことなんて分かんないもん。それより、はい。3番出口にタクシー乗り場あるから」


アナウンス〔741便にご搭乗のお客様は8番ゲートまで....〕

マキ)「あ、いかなきゃ。じゃあ、さようなら瞬くん。元気でね!」

瞬)「ま..マキさん....!!!!」

スタスタと行ってしまう

(振り返りもしないんだな..)

瞬)「…ーー」

あきらめ、行こうとしたとき...





グイッ!!!!腕を引かれた


チュッ 小さく、頬にキスされた

瞬は、また、走っていく人を目で追いかけ、泣きそうになった


走っていく、マキの後ろ姿をみて.........


瞬)「ま、マキさん!!待って!マキさん...」


あの日...

もしかすると君は

僕以上に

泣いていたのかもしれない...


[現在]

『ねぇ、笹間さん。マキが亡くなって、もう一年経つわ...』

『そろそろ、ご自分の幸せをお考えになってね....』













瞬) 「たった一年ですよ」

「たった...」

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