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第9話

記憶の扉が開く
「な、美桜!何だよその服!」

「仕方ないでしょ。頼まれたんだから」


そんな似合ってないかな…

秀にそう言われると何故かヘコむ。


「まったく…美桜と賀川は倉庫から荷物取ってきて!」

痺れを切らしたかのように綾ちゃんはそう言う。


「美桜、あんたも仕事ばっかじゃなくて楽しんできな。賀川と回らせるのは癪だけど」

「い、いいのか?」


秀もびっくりした顔を向けている。

すると「ほら!さっさと行く!」綾ちゃんに教室を追い出されました。


「綾ちゃんって優しいんだけど不器用なとこあるんだよね」

「俺もそれは薄々感じてた」


他愛ない話。

だけど秀と話せる。ただそれだけが嬉しくて仕方なかった。


だったら…思い出さなきゃよかった…


「ないね…」

「俺、あっち探してくる」


倉庫で頼まれた物を探しに来た私たち。

だけどなかなか見つからない。

それに物の置き方、雑だな… これじゃ誰か怪我してもおかしく…


「きゃ!」


私は何かにつまづく。


「痛っ…」

「美桜!あぶなっ…!」


金属の棒が私の方に向かって落ちてくる。

あぁ…ダメだ… 痛みに備え目を瞑るけど
一向に痛みは来ない。


「秀!?」

それもそのはず。
秀が私のことを庇ったから。


あれ…これに似た経験、以前したことが…


すると同時に蘇る記憶。

私の心を痛いくらいに傷つけて、だけど大好きで大切で失いたくなかった…


──私の記憶


それと同時に溢れる想い。


──それでもやっぱり…秀が好き。


「大丈夫だ。かすり傷。それより美桜には怪我ないか?」

「うん…」

「やっとお前のこと守れた」


ずるいよそんな顔…

そんな顔されたら私…


また、どうしようもなく秀のこと


「好きになっちゃうじゃん…」