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第2話

きっかけ

キーンコーンカーンコーン


まるで決戦の鐘とでも言うかのようにいつもより凛と聞こえるチャイム。

まさに今日、私は秀くんにさようならを伝えようと思う。


それこそ秀くんには既に私と付き合っていることを忘れているのかもしれない。

だけど、それでは私の気が済まない。

最後にきちんとした形で秀くんにさようならとお礼を言いたい。


こんな私にでも優しくしてくれてありがとうって。

そして今まで迷惑だったよね。ごめん…と


直接、秀くんを誘う勇気なんて無いから
メッセージを靴箱に入れておいた。

匿名で
────────────
話したいことがあります。
屋上に来てください
────────────

と。

名前を書かなかったのは、来てくれないと困るから。

面倒くさがりの彼なら来ないって可能性も無くはない。


「美桜。あんたが決めたのから私は何も言わないよ。思いっきり言ってきな」


険しい顔をしてそう言うのは私の親友である
綾ちゃん。

綾ちゃんには全てのことを話してある。


「うん。行ってくるね」


そして私は屋上へと続く階段を1段1段登る。

その間も思い出すのは秀くんのこと。


私が秀くんのことを好きになったのは些細なこと。

きっと秀くんも忘れていると思う。


ある公園でダンボールに捨てられた子猫が寂しそうな声で泣いているのに私は気づいた。

白くフワフワな子猫は、私にすがるような瞳で何かを訴えてくる。

だけど猫の気持ちを読み取ることはできない。

とりあえず、ミルクを買ってきて子猫に飲ませる。


すごい勢いで子猫はミルクを飲む。

子猫の体は小さくて、温かい。

それが " 生 " を痛く教えてくれた。


それから、毎日私は公園に通い子猫の様子を見ていた。

本当は拾ってあげたい…だけどお母さんが猫嫌いのため飼ってあげることができない。


私の手で元気に遊んでいる子猫。


不甲斐なさを感じつつも、私はこの子猫を見捨てることができなかった。