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第3話

別れ
そんなある日、私は高熱を出して子猫の様子を見に行けなかった。

それに生憎の大雨。

傘をさしてあげなきゃいけないのに、体が怠くて動けない。

だけど子猫には私しか居ない。

お母さんの留守を見計らって レインコートを着て子猫の居る公園へ向かった。


もしかしたらこの寒さで死んじゃってるかもしれない。

私はそんな不安と倦怠感を抱きながら走る。


子猫の居るダンボールの前に行くと、ある人影が見えた。


「あの…」

「うわっ…!ってお前…何してんだよ」

そこに居たのは秀くんだった。

秀くんは高熱を出した私の代わりに子猫に傘をさしてあげていた。


「良かった…」

子猫の元気そうな姿を見て、安心したのか
私の視界が歪む。

フワフワした感覚になり気づいたら気を失っていた。


そして、目を覚ますと自分の部屋のベッドの上に居た。

後からお母さんに聞くと、男の子が私をおぶってくれて家に送ってくれたらしい。

その時の私への伝言が


【子猫のことは心配するな。俺がきちんと育てる。お前は早く元気になって子猫に会いに来い】

らしい。

私はそれから…秀くんのことが好きになった。

ダメ元で想いを伝えると秀くんも私のことが好きって言ってくれた。


だけど秀くんの気持ちはもう私に向いていない。

ううん。最初から無かったのかもしれない。


そう考えているとあっという間に屋上。

ガチャ…と重々しい扉を開く。

秀くんは既に来ていた。


「美桜…?」

久しぶりに名前を呼ばれた。
良かった…まだ覚えててくれている。


「秀くん。今までありがとう…別れようか」


何も言わない秀くん。

どうしてそんな顔するの?

もう、鬱陶しい女の子が消えるんだよ?


笑ってくれなきゃ困るよ…


そして私はその場を後にした。
私はいつもより思い足取りのまま、学校を出る。

あんなに秀くんへの気持ちを断ち切ることを望んでいたのに、いざ断ち切ると胸が苦しい。

息もできないくらいに。


いつもの通学路。

十字路の交差点で信号を待っていると、隣を小さな男の子がボールを追いかけて道路に飛び出す。


「たかし!」

その子のお母さんが焦ったような声を出す。

男の子に迫る大きなクラクションを鳴らすトラック。

私は本能的に男の子を追いかけ道路に出て、男の子を歩道に突き出した。