第2話

変わりゆく視界の隅で
70
2018/04/19 09:30
目を開けると一人美術室に居た。
【コーンコーン】

下校の鐘が鳴り響く。
ひとりぼっち。絵を描いてる
目の前には不自然に空いた椅子。
誰かがいた気がした
手に持っていた鉛筆が落ちる。
寂しいは無かった。
悲しくも無かった。
ただ…震える体を抑えながら
うずくまってるだけだった。
自分の膝に顔をうめる。
がばっと顔を上げた。
誰かがいた気がしたから
すると周りは青と白の世界に変わって居た
目の前には白猫と黒猫が一匹ずつ居た。
猫をぼんやり見つめてると
二匹が動き出した
【追いかけなきゃ】
自然と体は動く
猫が向かう方へ。
だめ。
だめ。
そっちは_
寸前で止まる。



よかった。だいじょう_



鈍い音が鳴り響く。
私が落ちた音。
学校の屋上から。
最後に押された少女は落ちた
フリア
ユ…ト…
その世界で私が最後に発したのは
たった二文字。それだけだった
【その時少女は少年を思い出せたことに】
【幸せそうに死んでいった】
【落下死】

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