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第7話

告白は彼から

クリスマスイブは、運のいいことに塾が休みだった。


十六歳の私は、想太とのデートに備えて、目一杯のおしゃれをして出かけた。


生まれて初めてのデートで勝手が分からず、緊張する私に対して、想太はリラックスした様子で、既に待ち合わせ場所にいた。


その余裕が、またちょっとだけ悔しかった。
永沢 胡桃
永沢 胡桃
お、お待たせしました
桜野 想太
桜野 想太
そんな待ってないよ。
でも、なんで敬語なの?
永沢 胡桃
永沢 胡桃
そこは察しようよ……!

想太が笑っている間に、珍しい彼の私服を私は観察した。


紺色のコートにベージュ色のマフラー、黒いセーターはどこにでもあるようなシンプルなものなのに、想太が着ているとどこかスタイリッシュで格好いい。


春から数センチは背が伸びた上に、いつもは制服姿しか見ていないので、急に大人っぽくなったように見える。


ドキドキしながら想太の顔を見上げれば、優しく微笑む瞳と視線が交わる。


見惚れるとは、こういうことを言うのだろう。
桜野 想太
桜野 想太
さて、どこに行く?
永沢 胡桃
永沢 胡桃
はっ! 話し合えばいいかなって思って特に決めてないけど……決めてた方がよかった?
桜野 想太
桜野 想太
ううん。
それもそれで楽しいよ

青ざめる私を見て、想太はクスクスと笑う。


次はきちんとプランを決めておこうと心に決めた。


私たちは映画を見て、喫茶店で昼食をとり、街でウィンドウショッピングを楽しんだ。


私も次第に緊張から解放されて、自然に笑えるようになっていた。


夕方、もうすぐ帰らなければならない時間になると、今度は寂しくなってくる。


巨大なクリスマスツリーが飾られ、周囲をきらびやかなイルミネーションが囲む広場で立ち止まり、私たちはそれらを眺めていた。
永沢 胡桃
永沢 胡桃
(あーあ、もう終わりか……)

明日からはまた勉強尽くしだ。


楽しい時間ほど、あっという間に過ぎる。
桜野 想太
桜野 想太
永沢さん
永沢 胡桃
永沢 胡桃
うん?

想太に名前を呼ばれて、横を振り返る。



桜野 想太
桜野 想太
僕と付き合って




聞き間違いかと思った。


けれど、想太は穏やかな表情をしていて、からかっているようには見えない。


私は数秒間ぽかんとしていたけれど、徐々にその意味を理解していった。
永沢 胡桃
永沢 胡桃
……はい!

感極まって泣きそうになりながら返事をすると、想太はにこりとして、私の手を握った。


きっかけを作ったのは私だったけれど、先に告白したのは想太の方だったのだ。


その日は手を繋いで帰った。


幸せな気分に浸りすぎて、その日の夜は、なかなか寝つけなかった。

【第8話につづく】